Nobody 3

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壱馬 「今なんて言った？」

「…言わない。」

壱馬 「何で、もっかい言ってよ。"好き" って。」

「…聞こえてんじゃん、バカ。」

壱馬 「ははっ、でももっかい言ってよ。」

「嫌だよ、恥ずかしいもん。」

壱馬 「俺はいっぱい言ったけどな〜。」

「っ、ズルい…。」

壱馬 「…ん？」

「…好き。」









抱き締められたまま そう言うと

更にぎゅっと 私を包む腕が 強くなった。









壱馬 「俺は、愛してる(・・・・)。」

「っ…！」









そのまま2人 ベッドに倒れ込むと

頭上で 余裕そうな顔をしている壱馬。








何秒か見つめあったあと

どちらからともなく 触れ合った唇。









それは 何も考えられなくなるような

甘い甘い キスだった。









割り込んできた舌が 呼吸するのも忘れさせて

息苦しくなって 彼の胸を叩くと

銀の糸を引きながら 離れた唇。









壱馬 「ふっ、顔真っ赤。」

「…見ないで。」

壱馬 「…好きだよ。」









再び私を抱き締めた彼の体温に 包まれながら

幸せを噛み締めた。









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壱馬 「戻りたくねえな〜。」

「明日早いんだから。

部屋で北人が待ってるでしょ？」









夜も遅く 明日の出発も早いため

部屋に戻らないといけないのに





…壱馬はかなり 寂しがり屋だ。









壱馬 「じゃあ、またな。」

「…うん、また明日。」

壱馬 「…おやすみ。」









そう言って 最後にキスを残して

自室に戻っていった壱馬。









部屋にはまだ 壱馬の香りが残っていた。









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