私が拾われた日[Akito.K]

9話 ページ9

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“今の時期に制服買うって..珍しいねぇ〜“




照『い、いやぁ〜はは..妹が急に身長ぐーん伸びて入らんくなってしもたんですわ〜』




“そうかいそうかい

若い子の成長は早いからねぇ〜“









若干怪しまれた店のおばちゃんをうまーく誤魔化して

ちょっと一安心..









“どの中学の制服だい？“




貴「..○○中学校です」



照『え!?まじで!?俺そこに知り合いおるわ!!

大西流星ってやつ知らん!??』



貴「ああ、大西くん..同じクラス..」









“あんた、妹の学校も知らないのかい？“なんてまた怪しまれたけど

意外な共通点見っけたし





流星!ナイスや!でかしたで!!






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Aside




桐山さんが買ってくれた新しい制服を身に纏えば

馴染みのある制服なはずなのに、私まで生まれ変わったみたいで




...ちょっと嬉しかった









貴「行ってきます」


照『おう!何かあったらいつでも呼ぶんやで？

はいこれ、かなちゃんのスマホ』






そう言い手渡された真新しいスマートフォン






貴「いや、でも..」







さすがに悪い...

いくらこの人が悪い人じゃなくて見返りを求めてる訳じゃないと分かってても

“はいどうも“って受け取れるようなもんじゃないでしょ..







照『ええねんて!連絡取れんかったら俺が困るしさ

俺の為にも持っといて？頼むわ』








もう一度私の手のひらにぎゅっと握らされたスマホ




ケータイすら持ったことがなかった私に

“ここのボタン押せば俺にすぐ電話かかるから!“って教えてくれた








貴「...ありがとう」







届くか届かないかの小さな声でお礼を言った私の背中を

“ほら!遅刻すんで!“って明るく押してくれた








照『いってらっしゃい』









古い記憶の中でだけ存在していたその言葉は




少し逃げ腰になっていた私の足を動かした






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