私が拾われた日[Akito.K]

2話 ページ2

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貴「...」





やけに静かな車に乗せられ

窓を叩く雨音を聞きながらどんどん遠ざかる私がよく知る街








この時間から山に捨てられるのは寒いからちょっとやだな


まだこのよく分からない男にオモチャにでもされて殺される方が室内だしいいや







あ、考えてみたらこの寒い中海に捨てられるのが一番嫌かも..









“着いたで“









まだこの時点で顔もまともに見ていない人の声に従って車を降りた









スタスタ..





もう考える事を放棄してただその少し大きな後ろ姿についていくだけ


“歩く“という単純作業のみに意識を向けていた






すると









バサッ









急に目の前が真っ白になった









“それで体拭き“









...









あぁ、これタオルか









いつの間にか暖かい室内にいた私に少し乱暴に投げ付けられたフワフワのタオルで体を拭いた








.








そんな私はまたいつの間にか






湯船に浸かっている









...考える事ちょっと放棄しすぎか？









チャプッ..







お風呂ってこんな温かいもんだっけ？

あ、指ちょっとふにゃふにゃになってきた









考える事を再開しても

頭に浮かぶのはまた現実に目を伏せる事だけ







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