王女、謁見 ページ6
宮殿に戻ってきたAは部屋に戻り
お気に入りのソファーに身を沈めると
ドアをノックする音が聞こえた。
返事をすると、ドアの外から聞こえてきたのは
珍しい訪問者、妹のロミの声。
入っていいかと聞かれたのでドアを開け、
招き入れる。
『ロミが会いに来るなんて珍しいわね。
なにかあったの?』
「別に。お父様に呼んで来るよう頼まれただけ。」
それじゃ、そういうことだから。と用件だけ伝えてさっさと自室に戻ってしまった。
そんな素っ気ないやり取りに寂しさを覚えながらも、お父様の呼び出しに憂鬱な気持ちになりつつ渋々執務室に向かった。
豪華な装飾が施された執務室のドアをノックする。
すると間もなく部屋の中から入りなさい。と
声をかけられ扉を開ける。
『失礼致します。お父様、何か御用でしょうか?』
あからさまに面倒くさそうにそう返事をすると
「ああ。Aに話しておきたいことがあってね。」
『?』
まあ、そこに掛けなさい。と応接セットに
促され不信感を抱きながらもソファーに腰掛ける。
まあ、その、なんだ。Aもいい年だろう?
だからそろそろどうかと思ってね。
どうだい?そろそろ身を固めてみては。
はぁ、とひとつ溜息をついて、こう答える。
『お断り致します。今は結婚するつもりも、ここを離れるつもりもありませんから。』
そう言い放ち席を立った瞬間、
待ちなさい!Aお前の気持ちは変わらないんだね?そう問われたので、はい。と答えるとお父様の表情が変わり耳を疑うような言葉が返ってきた。
あまりこういう言い方はしたくはなかったが
Aがそのつもりなら私にも考えがある。
「Aよ、もう婚約者は決まっているんだよ。先日縁談の話がきてね、実は了承することで話をまとめるつもりでるんだ。」
『なっ!そ、そんな勝手に、、っ』
「ああ、勝手だとは思うが可愛い娘の将来のことだからね。もちろん国の為でもある。」
姫として生まれた以上覚悟はしていただろう?と言われればそうだ。わかってはいた。自分は姫なのだから国と国の架け橋とならねばならないことぐらい。
『で、でも、、っ!』
そこで、だ!と続けて話すお父様の声に反応し言葉を詰める。
「お前にはある場所で学ぶ機会を与えるとしよう。」
ますます父が何を言っているのかわからなくなっていると
「1年間だ。」
『・・は?1年?』
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桃月千璃 - 面白いです!頑張って下さい。応援してます! (2017年8月24日 11時) (レス) id: c1fb54f25b (このIDを非表示/違反報告)
てく - コメントでの改善が見られなかった場合、違反報告との形でオリジナルフラグを外していただきます (2017年6月13日 9時) (レス) id: dbfc4f8321 (このIDを非表示/違反報告)
チルチル(プロフ) - ご指摘頂きありがとうございます。夢小説初めてだったもので。。勉強不足でした!今後の参考にさせていただきたいと思います。 (2017年6月13日 0時) (レス) id: b3a0a83843 (このIDを非表示/違反報告)
てく - 違反になりますので、オリジナルフラグを外していただけませんか? 作品作成のルール・注意点・ガイドラインにも載っていますのでおめ通しください (2017年6月12日 21時) (レス) id: dbfc4f8321 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チルチル | 作成日時:2017年6月12日 18時