"好き"のその先は。【佐野玲於】 (ページ9)

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時計の針ページ9

『今どこ』

仕事が早くに終わり家でゴロゴロとして居ればそんなメッセージが届く

貴『家でゴロゴロしてるよ～。』

玲於『今からAの家行く』

貴「えっ、今から！？」

時計を見れば10時近く、驚きの発言に倒していた身体をバッと起き上がらせる

お風呂にも入ってしまったわけで今私が着ているのはパジャマだ

玲於くんに会えるのは嬉しいけど、こんな格好じゃ会えないよ、今から準備したって間に合わないし。

貴『私パジャマだしお風呂入っちゃったよ、恥ずかしい』

玲於『んなの気にしねぇから、待ってて』

待ってます、とだけ返信をして急いでベットから出る

取り敢えずリップだけ塗っちゃおう
どうしよう、玲於くんに幻滅されちゃったら。

貴「緊張しちゃう...」

どうしていきなり家に来るのかな
まさか！私に会いたいから、とか。
なんてそんな漫画みたいな事無いよね、ない無い

玲於くんが家に来た事はあの時以来

だから3回目..？になるのかな

もし中に入るなら掃除もしなきゃ... ！
急いで散らかっている物達を片ずける

貴「まだかな。」

妙にドキドキしてしまうけれど早く玲於くんに会いたい気持ちは強く、ソファーに座りながら人形をぎゅっと抱きしめ

時計の針が進む音だけが部屋中に響く

貴「！」

次の瞬間ピンポンと言うチャイムが鳴り勢いよく玄関のドアを開けた

玲於「うわ、びびったいきなり開けんなよ」

貴「えへへ、早く玲於くんに会いたくて！」

玲於「当たったら危ねぇじゃん」

玲於くん自分の首に触れながら中入っていい？なんて。

貴「ド、ドウゾ...」

別に期待とかしている訳じゃないけれどやっぱり緊張するもので、ついカタコトになってしまう

玲於「ん、おじゃまします」

貴「玲於くんりんごジュース飲む？」

玲於「まじ、飲む飲む」

部屋に入って直ぐに玲於くんはソファーに座ってテレビをつけ出す

ソファーに座ってテレビ見ている姿ってなんか

なんか一緒に暮らしてるみたい。

貴「りんごジュースどうぞ！」

玲於「あざっす」

私も玲於くんの隣に座り同じようにりんごジュースを飲む

玲於「そんなすっぴんいつもと変わんねぇじゃん」