Ep.13「端役」 ページ13
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他人の目を気にし、すっかり猫背気味に表を歩く身体に、心底嫌気が差す。
偽りの世界な筈なのに、厭に現実味を帯びている。
此の
眩い位に煌めく太陽でさえも、現実の輪郭にぼやけていた。
非日常とは日常の裏返しである。
道行く人々も、自分が漫画で生み出された
手が込入り過ぎている、と呆然と思考の縁に立ち尽くしていると、彼等は変質者でも見る様な目付きで通り過ぎて行く。
彼等の方こそ、勝手気ままに生まれ出づる変質者であると云うのに！
傍目から見ると、其処は自分の居た現実と却って変わりはなく、其れでいて暗雲の立ち込める日々が再開してしまったのだと、思考する間もなく勘付いてしまう。
先程から何故か冷や汗が止まらない。手紙の何某とやらに恨み辛みを打つけ様が、記憶が有ろうがなかろうが、自分は此の様に厭世思考の
漫画の
Aは随分と遠くまで来てしまったと後悔する。
本来であれば今頃、元の世界で霞を食い、
無一文で遊び呆け、読書に勤しんでいたと云うのにだ。
其所で自分は、買ったばかりの漫画の安否に意識が向く。
何某が此の世界を生活拠点として設定したのは、
若しや自分の所為やもしれない。
あの時、死の間際に死神探偵の単行本を大事そうに抱えていなかったら、運命とやらは幾分か違っていたのかもしれない。
何にせよ、余計なお世話である。
清く正しくとまでは言わないが、生を全うしてきた自分に対し蛇足にも程がある、と今日何度目かの憤慨をした。
Aは溢れ出る溜息を吐き出した。
可能性の一つとして上げた結果、自分の機嫌を損ねる事となってしまった。酷く陰鬱な空気が辺りに漏れ出て、今度は棒立ちとなっている自分に哀れみの目を向けられる。
見ず知らずの誰かに同情の目を向けられる事は少なくない。自分はこうして生きてきたのだと言い聞かせ、食材を調達する為、再び作り物の世界を歩き出す。
続く (更新停止中)
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神代普(プロフ) - 暁月臨さん» ご感想ありがとうございます！妄想を煮詰めた作品なので、気長に更新をお待ち下さい！ (6月23日 0時) (
レス) id: 737382ef27 (このIDを非表示/違反報告)
暁月臨(プロフ) - この作品大好きです！！作者様の文才がありすぎて衝撃を受けています！応援してます 頑張って下さい！！ (6月21日 22時) (レス) @page13 id: 59dc159e7e (このIDを非表示/違反報告)
神代普(プロフ) - 紫苑さん» ご感想ありがとうございます！嬉し過ぎて頬が緩みまくっております…！！ (6月6日 11時) (レス) id: 737382ef27 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑 - 文才ありすぎですか、、、書き方が本当の小説みたいで、アイデアさえあったら世に出ている公式小説にも匹敵するオリジナル小説が書けると思えるくらい表現力と語彙力が豊富ですね！！！ (6月6日 11時) (レス) @page13 id: 53005662e7 (このIDを非表示/違反報告)
神代普(プロフ) - 春さん» 好みと云う表現の仕方、大好きです！！ご感想ありがとうございます！ (2023年5月4日 22時) (レス) id: 737382ef27 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神代普 | 作成日時：2023年4月13日 20時
