６３話 もう一度見る貴方の夢 ページ19
＊＊＊＊
また、あの夢を見ている。心が安らぐような、優しい夢。
A『ねえねえ斉藤さん!斉藤さんって何色が好き?』
あの時の花畑で、私は花輪を作っている。
斉藤『突然だなぁ。…うーん、好きな色ねぇ。……白とか…?』
A『っ!Aも！Aの髪の色とおんなじだから、白が好き!!』
私がそう言うと、斎藤は私の髪を手で梳かしながら微笑んだ。
斎藤『…うん。僕も好きだよ。Aの髪』
A『…Aの事は……?』
その声は不安そうで、私を見た斉藤は少し目を見開いたあと、驚くほど優しい微笑みを浮かべて私を抱きしめた。
斉藤『…もちろん、Aの事が大好きだよ』
そう言って私の額にキスをする。
斉藤『君は、僕の花嫁になってくれるんだろう?』
A『うん!今花嫁修行頑張ってるんだよ!』
だから待っててね、と言って私は斉藤の胸に頬ずりをした。
おもむろに彼の手を取ったかと思うと、私はさっきまで作っていた花輪を彼の腕に取り付けた。
斉藤『ん?なんだいこれ?』
A『お守り!斉藤さんのお願い事が叶うように』
私がそう言うと、彼は微笑みながら私の頭をなでた。
なぜだか頭を撫でられる感覚が、やけにはっきりと、それでいて現実味を帯びていた。
＊＊＊＊
目を開けると、目に映ったのは自室の天井だった。
A｢…4年ぶり、かぁ…｣
この夢を見るのはこれで2度目。でもやっぱり、これは私の記憶だと感じる。
大きく息を吐いて起き上がる。私は支度を始めた。
本格的な鬼呪装備の訓練。ただまあ、私はなぜか《憑依化》がもう出来ちゃってるという謎の事態。
その代わり、優一郎達3人が暴走した時、私が始末しなければいけないという。
絶対にそんな事したくない。皆には何がなんでも乗り越えてもらわないと。
部屋を出て集合場所へ向かう。まだ時間まで30分以上あるけど問題ないだろう。
中に入り屋上を目指して階段を登る。すると後ろからものすごい音が聞こえてきて…
A｢なに……って優一郎!?｣
優｢おうAおはよちょっとどいてくれ!!｣
そのまま走って階段を登っていく優一郎。私は慌てて追いかけた。
登りきった先にはシノアちゃんとグレンさんがいた。
優｢やっと戻ったああああ!!!外壁に刀刺して戻ろうとしたら壁に傷つけんなって衛兵にすげえ怒られたんだけど!!｣
A(…と言う事は、結構前からいたってこと?)
そこへ足音が聞こえてきた。三葉ちゃん達だ。
与一｢…あれ?グレン中佐だ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 131人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まなみ(プロフ) - ローズさん» 始めまして！そう言っていただけて嬉しいです！今ちょっとスランプで書いては消して書いては消してって更新進んでませんが、待っていただけると嬉しいです！ (2020年5月28日 13時) (
レス) id: 7ddd48e5a1 (このIDを非表示/違反報告)
ローズ(プロフ) - はじめましてヽ(*´∀｀)ノ小説本当に楽しかったです！ウルド様とキルク大好きなので待ってます (2020年4月23日 9時) (レス) id: 9c4c55a475 (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - アカリさん» はい！頑張ります！ (2018年11月14日 20時) (レス) id: 5229721b17 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ - まなみさん» 成る程判りました！進路決定とバイトの両立は大変なので頑張って下さい!!油断大敵ですよ〜 (2018年11月14日 20時) (携帯から) (レス) id: 5b0fbd2365 (このIDを非表示/違反報告)
まなみ(プロフ) - アカリさん» なるほどそうでしたか。えっと、すみません私成り代わり系が苦手でして……。あと今進路のことやバイトで忙しいのでそもそも占ツクにあまり来れず、書くとしても来年になってしまいます。すみませんせっかく作品のリクエストを頂いたのに。 (2018年11月14日 20時) (レス) id: 5229721b17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：○●まなみ●○ | 作成日時：2018年7月8日 21時
