ハイキュー短編集

赤葦京治【名前】 ページ10

side赤葦







部活中。



ピーッと笛の吹く音が聞こえ、休憩時間に入る。








「お疲れ様」



「……っはい、ありがとうございます…」








密かに片思いしているAさんからドリンクを貰えて表情こそ変えないけど内心凄く喜んでいる俺。




………そう、あくまで密かに想っていたのだが。








「「「「…………」」」」ﾆﾔﾆﾔﾆﾔ



「………………」



「？何でそんな皆を睨んでるの？」



「………いえ」



「？」








何故か先輩方には気付かれている。



一度も、誰にも言った事はないのに。



一番初めに気付いたのはマネージャーのお二人。



女の人の勘をあれほど怖いと思ったのはあの時が初めてだ。





それから、意外と表情に出てたらしくいつのまにか部の全員が知っていた。





気付いてないのはAさんだけ。



それを面白がって皆さんは何かと俺と彼女が話す度ニヤニヤして見てくる。









「…ほら、木兎さん練習しますよ」



「や、今はいいから気にせずAといちゃいt「木兎‼」っあ！」



「ん？私と何て？」



「………………」



「何でもない何でもない‼あー木葉ちょっと話あんだけどさー‼」



「……………」









苦しい程の誤魔化しで逃げる木兎さん。



あの人は時々ああいう事があるから本当気を付けてほしい。



今も絶対危なかった。





隅で木葉さんや雀田さんにボコボコにされている木兎さんを冷たい視線で見る。









「珍しいね、木兎が休憩時間も練習しないなんて」



「……そうですね」



「休憩できて嬉しい？それともちょっと寂しい？」



「嬉しいですもちろん」








_________貴方と、いれるから





そんな風に思い、彼女に向かって微笑んだ。








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