青葉城西学園祭編【国見英】 ページ27
side貴方
「まーまー皆、幸せそうな顔しちゃって…」
誰もいない真っ暗な教室。
明かりも付けず外で光るキャンプファイヤーの明かりを頼りに窓の外を見てポツリと声をこぼす。
後夜祭が行われているグラウンドではカップル達がわんさか手を取り合って幸せそうにしていた。
私はというと先程勇気を出して告白しに行った友達の帰りを待っている。
いや待つ必要ある?って言ったんだけどもし駄目だった時慰めてほしいと言われ渋々待つ事にした。
絶対必要ないと思うんだけどね。
あの子ら両思いだし。
けどやっぱり大事な親友の事だからおめでとうって言いたいし一人ポツンと教室に座っている。
そんな時、急に教室の後ろの扉がガラッと開いた。
帰ってきたか、と思いそっちに目をやるといたのは親友ではなくバレー部の後輩である国見。
彼はスタスタと私の側まで歩いてくると前の席に腰を下ろし、一息ついた。
「…ど、とした国見」
「………すっごい探したんですからね俺」
「?何か用事あった?」
「…………察して下さいよ」
「?」
きょとんとする私に彼はほんのり頰を染め、もう…と呟く。
なんか分かんないけどとりあえず凄く探してくれていたみたいだ。
少しぐしゃっとなった前髪を整えてあげれば息を呑む彼。
「……何してたんですか?こんな所に一人で」
「親友が告白しにいっててね。それの報告を待ってる」
「後夜祭出ないんですか?」
「あんなカップルの巣屈の所に行ったら一人浮いちゃうよ。それに今はどこに行っても告白やらイチャイチャしてていたたまれない」
から一番安全なここにいるの、と話す私。
そして「国見は?」と尋ねる。
「国見こそ、後夜祭出ないの?確か好きな子いるって言ってなかったっけ」
「いますよ」
「ならこんなとこにいてないで、その子の所行かなきゃ。誰かに取られてもしらないよー?」
「だからあんなに急いでここに来たんじゃないですか」
「え?」
「まだ、大丈夫ですよね?」
そう言って彼は私の頰に手を伸ばす。
するりと撫でられビクッと反応すると嬉しそうに微笑んだ。
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モブ(プロフ) - お話、読ませていただきました!素敵でした…!とても読みやすかったです!読んでいて、何だかリラックスできました! (2018年5月8日 23時) (レス) id: 4db952b4d6 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - かっぱの子さん» ありがとございます!読ませていただきました!キュンキュンしてました!ありがとうございます!! (2018年3月20日 23時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 月神 琉夏さん» 了解です!(`_´)ゞ少しお時間頂いてもよろしいですか…? (2018年3月11日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - コメント失礼します!夜久さん、研磨、赤葦ヤバかったです!あのリクでノヤっさんお願いしてもいいですか? (2018年3月9日 21時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - かっぱの子さん» 夜久さんやばかったです!!夜久さんならではのお話でしたね笑 (2018年3月5日 12時) (レス) id: 5f1fd78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年1月5日 22時