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side貴方
夜中。
ベランダの窓が叩かれる音がしてカーテンを開けるとそこには鉄朗がいた。
「…鉄朗、来るならちゃんと玄関からにしてっていつも言ってるのに」
「わり、つい癖で」
「もー。で、今日はどしたの?宿題?」
こんな風な登場の仕方はもう毎度だから深くは言わないけど。
はぁ、と溜息をついて既に終わらせてある宿題を手に取ると彼に渡す。
すると、違うと言われた。
「へ、珍しい」
「お前な…、ま、いいや。A、こっち」
「?」
私のベッドに何の遠慮もなく座った鉄朗。
そのまま手招きされて首を傾げながら近寄ると、ぐいっと腕を引かれる。
気付けば私は彼に後ろから抱きしめられていた。
「…て、鉄朗?」
「………なぁ、お前ってさこういう事誰にでもさせんの?」
「?え、さ、させないけど…」
鉄朗だけだよ、と心の中で呟く。
好きな人にされてるから何も言わないだけで。
恥ずかしい気持ちはあるけどやっぱり嬉しいし…。
返事を返すと息を呑んだ彼。
意味が分からなくて顔を後ろに向けようとすれば阻まれて向けなかった。
と同時に耳元に彼の声が響く。
「……………A」
「っ⁉///な、何…?//」
「…………好き」
「………え」
「Aの事、すげー好き」
幻聴じゃないかって思う程甘く響くその言葉。
一瞬真っ白になって、理解すると徐々に体が熱くなっていく。
…嘘、鉄朗が、私を好き……?
信じられなくて後ろを向くと、珍しく顔が赤く染まった彼。
私と視線が重なると諦めたように息をつき、額を合わせてきた。
「…ずっと、ずっと前から好きだった」
「…!」
「………よければ返事、聞かせて欲しい」
消え入りそうな小さな声で話す鉄朗。
こんなにも弱々しい姿は初めて見て思わず笑ってしまう。
む、とした彼の頰に手を伸ばし、私も想いを伝えた。
「____私も、ずっと鉄朗の事好き。大好き」
「________ッ//」
「____鉄朗の、彼女にしてもらえますか…?」
ずっと言いたくて言えなかった事を今、全て伝える。
すると彼はまた息を呑み、吐き出して…
「…当たり前。俺も...大好きだ」
そう言って、そ、と唇が重なる。
この日、二人の距離はまた一歩縮まった________
____fin____
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モブ(プロフ) - お話、読ませていただきました!素敵でした…!とても読みやすかったです!読んでいて、何だかリラックスできました! (2018年5月8日 23時) (レス) id: 4db952b4d6 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - かっぱの子さん» ありがとございます!読ませていただきました!キュンキュンしてました!ありがとうございます!! (2018年3月20日 23時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 月神 琉夏さん» 了解です!(`_´)ゞ少しお時間頂いてもよろしいですか…? (2018年3月11日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - コメント失礼します!夜久さん、研磨、赤葦ヤバかったです!あのリクでノヤっさんお願いしてもいいですか? (2018年3月9日 21時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - かっぱの子さん» 夜久さんやばかったです!!夜久さんならではのお話でしたね笑 (2018年3月5日 12時) (レス) id: 5f1fd78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年1月5日 22時