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side孤爪








「…………ねぇ、クロ」



「んぁ?どーした」



「………何で早く、Aに告白しないの?」



「…ッな、何だよ急に…///」









俺の家でくつろぐクロに問う。



聞くとすぐ真っ赤になり、持っていた携帯を落としそうになったクロ。


こんなに分かりやすい反応、中々無い。







「………早くしないと、いつ誰に盗られるか分かんないよ」



「…………わぁってるよ。…けど」



「勇気ない、とか情けない事言うなら殴るからね」



「………お前、夜久化してきんじゃねーか」









ボリボリと頭を掻くクロに、心底イライラする。



想い合ってる癖に、どうして言わないの。








.









____________俺は、言いたくても言えないのに。





元々観察力がある俺は、すぐ彼女の気持ちに気付いた。


だから、必死にしまいこんだ。



表情に出さないのは得意だから。



二人を応援出来るように、頑張ってきたのに。







肝心のクロがそんなんじゃ、意味ない。




だったら____________









「…………クロが言わないなら、俺が先に言う」



「……は?」



「……………………俺が、Aを貰う」



「______研磨、お前もしかして…」



「…好きだよ、俺も。Aの事。動くつもりないなら、いいよね?」



「………ッ!!」









分かりやすく顔を歪める。



ほら、そんな顔するぐらいならさっさと言えばいいのに。



ほんと、馬鹿。







俺はクロの手を引っ張り無理矢理部屋の外へ追い出した。







「な、何す…「嘘だよ」……え」



「もう分かったでしょ、自分の気持ち。だったら早く伝えてきなよ」



「…………研磨」



「…俺もう寝るから。…………頑張れ」









パタン、と扉を閉める。



しばらくしてクロの足音が遠ざかったのを確認すると、ベッドへ倒れこみ枕に顔を埋めた。









.









「________________________これでまだ男見せないなら、本当に俺が貰うからね」









鈍く鳴る心臓に気付かないフリして、俺は目を瞑る。



どうか、大好きな二人が幸せになりますように。






俺の願いは、ただそれだけ。








.

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モブ(プロフ) - お話、読ませていただきました!素敵でした…!とても読みやすかったです!読んでいて、何だかリラックスできました! (2018年5月8日 23時) (レス) id: 4db952b4d6 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - かっぱの子さん» ありがとございます!読ませていただきました!キュンキュンしてました!ありがとうございます!! (2018年3月20日 23時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 月神 琉夏さん» 了解です!(`_´)ゞ少しお時間頂いてもよろしいですか…? (2018年3月11日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - コメント失礼します!夜久さん、研磨、赤葦ヤバかったです!あのリクでノヤっさんお願いしてもいいですか? (2018年3月9日 21時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - かっぱの子さん» 夜久さんやばかったです!!夜久さんならではのお話でしたね笑 (2018年3月5日 12時) (レス) id: 5f1fd78d5a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年1月5日 22時

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