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side赤葦
「…………け、京治…?」
控えめに、俺の名前を呼んだAさん。
ただ名前を呼ばれただけなのにあり得ないほど胸が高鳴る。
赤い顔を見られたくなくて、でも我慢は出来なくて、俺は彼女を体育館裏まで連れて来て抱きしめた。
腕の中には戸惑っている彼女。
ほんのり赤い頰に、またうるさく心臓が鳴る。
「赤葦…?ど、どしたの…?///」
「……名前」
「え…?」
「……名前で、呼んでほしいです。これからもずっと…」
「?わ、分かった…」
何で?と首を傾げたけど頷いてくれたのでほっとする。
そんな時Aさんがトン、と俺を叩いたのでびっくりして下を向くと俯く姿が見えた。
「Aさん…?」
「………京治、ごめん離して…」
「っ、す、すみません嫌でしたよね」
震える声で言われて、はっとして彼女を離す。
心は痛かったけど、彼女が嫌がる事は出来ない。
離して、と言われた事に辛いな…と思いながらもう一度彼女を見ると…
「…………っ////」
「え…」
耳まで赤くなり、熱のこもった視線で俺を見つめていた。
形のいい唇が小さく開くと、ごめんね…とか細い声で謝る。
「………け、京治にそういう意味は無いって分かってても、駄目なの…///…勘違い、しそうになるから……だから……⁉///」
「…………勘違いなんかじゃ、ないです」
「え…」
「好きだから...貴方の事が大好きだから、名前呼ばれただけで嬉しくなったり、我慢出来なくて抱きしめたりするんです」
もう一度、今度は少し強く抱きしめる。
嬉しい、まさか彼女も…同じ気持ちでいてくれてたなんて。
大好きです、と伝えると「ほんとに…?」と信じられないという顔で見上げてくるから、精一杯の気持ちを伝えるためキスをした。
「………まだ、伝わりませんか?」
「………///」フルフル
「……ふふ、良かったです」
「け、京治…//」
「はい……っ⁉//」チュ..
「わ、たしも…好き...///つ、伝わったかな...ん⁉///」
「………そういう可愛い事、くれぐれも皆さんの前ではしないで下さいね。俺あんまり我慢強くないので」
_________抑えられなくなります
そう耳元で囁くと、真っ赤にしてコクコク頷く彼女。
また唇を重ねると、どこかから「練習始まるぞー!」と大きな声が聞こえ二人でくすりと笑い合った。
_____fin_____
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モブ(プロフ) - お話、読ませていただきました!素敵でした…!とても読みやすかったです!読んでいて、何だかリラックスできました! (2018年5月8日 23時) (レス) id: 4db952b4d6 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - かっぱの子さん» ありがとございます!読ませていただきました!キュンキュンしてました!ありがとうございます!! (2018年3月20日 23時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 月神 琉夏さん» 了解です!(`_´)ゞ少しお時間頂いてもよろしいですか…? (2018年3月11日 18時) (レス) id: 56c25e8926 (このIDを非表示/違反報告)
月神 琉夏 - コメント失礼します!夜久さん、研磨、赤葦ヤバかったです!あのリクでノヤっさんお願いしてもいいですか? (2018年3月9日 21時) (レス) id: d275e2e01f (このIDを非表示/違反報告)
あやな(プロフ) - かっぱの子さん» 夜久さんやばかったです!!夜久さんならではのお話でしたね笑 (2018年3月5日 12時) (レス) id: 5f1fd78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年1月5日 22時