ハイキュー短編集

及川徹【妬きもち】 ページ2

※注意！


及川さんと岩ちゃんが同じクラスの設定です！

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side及川








《自習》



黒板に、無駄にでかい字で書かれたその文字。



先生はこっくりこっくりと居眠り中。


テストが近いから勉強時間を取ってくれたけど、真面目にやる人もいれば喋る人もいたりまちまちだ。



でも先生は注意しない。



元々緩んでる先生だけど、よく教師なれたよねほんと。







…で、俺はその自習時間を何に使ってるのかというと。








「は？マジかそれ」



「うん、ほんとほんと」



「………………」








俺の相棒である岩ちゃんと、俺の想い人であるAちゃんが仲よさそうに話してるのを黙って見ている。



いや、膨れて見ている。



席が前後の彼等。


俺だけ一人離れて、後ろの方からじとーっといつもその光景を見つめていた。







「及川、お前見過ぎ」



「だってさぁ…ずるいじゃん。岩ちゃんばっかりAちゃんと話せて」



「岩泉も及川の気持ち知ってんだろ？」



「知ってるけど…岩ちゃんのあの行動は悪気なしだから、余計何も言えないって言うか…」








横の席の男子が可哀想な顔で俺の事見てくる。



一回、一回だけ遠回しに言ったんだよ？





「岩ちゃんって俺よりAちゃんと仲良い気がする」って。




そしたらさ




「あ？当たり前だろんなもん。あいつと席替えの度毎回席ちけーんだからよ」




…と、くじ引きという何も言い返せないのを待ってこられたのであえなくダウン。



意味伝わってないよ岩ちゃん。



流石鈍感。









はぁぁぁと大きな息を吐いてまた二人を見ると…








「でね？ちょっと耳貸して？」



「あ？________ブッ、やべぇなそれ」



「でしょ？」



「………………」ﾌﾞﾁｯ









Aちゃんが岩ちゃんの耳に口を寄せて、何かを囁いていた。



会話は遠いから全然聞こえてないけど、すっごいもやもやする。



遂に俺はガタッと席を立ち、二人を指差して文句を言った。







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