クリスマス短編集

赤井秀一編(1) ページ9

side貴方







《24日の午後、25は一日空けておけ》






そんな手紙が23日の朝起きると机に置いてあった。




もちろん差出人は赤井さん。



別段予定もなかったので特に何をするわけでもなく心の中で了解ですと返事する。




そして迎えた24日。



朝からどこかへ出掛けていた赤井さんが帰ってきたのはお昼過ぎ。


変装を解くとソファーへ座り、私に手招きをする。








「お疲れ様です。どうかしましたか？」



「いや、何でもない。こっちへ来てくれ」



「？」







素直に側まで行くと腕を引っ張られ彼の脚の間に収まる。



背後から腕を回され、首筋に顔をうずめる赤井さん。








「あ、あの…⁉」



「動くな。今日はクリスマスだろう、これぐらい世の中の恋人は皆している」



「わ、私達恋人じゃないですよね⁉」



「細かい事を気にするな」



「細かい事ですかこれって⁉」



「煩い」








どれだけもがこうとも離してくれない赤井さんに、遂に私が折れてしまった。



凄く恥ずかしいけど少ししたら彼も飽きて離してくれるだろう。






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__________そう思った10分前の自分を殴りたい。








「あ、かいさぁ…っ///」



「…お前、いつの間にそんな風に誘うようになった」



「誘ってなんかないです!!//離して下さ…ｯﾔ///」



「顔はやめてほしくなさそうだが？」








くつくつと笑いながら耳の裏を舐めたり噛んだりする彼。



顔は見えてないけど、声で分かる。



絶対私の反応みて楽しんでる…！///







逃げようにもお腹に回った手に阻まれ、更には弱い所を攻められてる所為で力が入らない。



苦し紛れの抵抗で彼の手を軽くつねればまた笑われて、何の抵抗にもなってなかった。






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