クリスマス短編集

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side銀時









サク、サク...と少し積もった雪の上を歩き、白い息を吐く。



隣のAも寒いのかはぁーと息を吹きかけ、手をこすっていた。





…この流れなら手、つなげんじゃね？



そう思ったけど中々実行出来ずにいる俺。





なんでかって？



チキンだからだよコノヤロー。






ああ、くそっと思いながら歩いていると、ふとAから声がかかる。






「ん、どうした？」



「あのね、その…手、繋いじゃ駄目かな…？」



「うへっ⁉///」







しくった、変な声出た…‼



明らかリアクションでけーからAも心配そうな表情で俺を見る。



これじゃ嫌がってるみてーじゃねーか‼




焦った俺は慌ててぎゅ、とAの手を握った。








「全然、全然駄目じゃねー」



「…ありがとう」



「っああ。俺も、寒かったし」



「……うん、寒かったのもあるんだけど…」








_________もうちょっとだけ、銀時の側にいたくて







そう言い、照れたようにはにかんだA。



ぎゅぅぅと掴まれた心臓は激しく高鳴り、体温は徐々に上がっていく。




堪らず俺は力一杯抱きしめた。








「…銀時？ごめん、嫌だった…？」



「…違ェ。逆だ、嬉しすぎんだよ」



「ほんと？もう少し、側にいていい？」



「少しどころか、ずっといろ。つかもう離してやんねぇ」



「ふふ…」








ありがとう、と俺にすり寄り背中に手を回すA。



こいつ、無自覚か？



マジでなんなんだよその可愛い行動。




俺を殺す気か。








…………これ、持ち帰りおっけー？




え、いいよなもう。




こんな恋人みてーな会話して、はいさよならバイバイはねーだろ流石に。




今の会話は絶対世の中の付き合ってる奴等だったら夜の楽しみがある流れだろ。






………もしかしてA、誘ってたり…







…………………こいつに限ってそれはねぇな。








完璧に無自覚。



純粋にただ、もう少し一緒にいたいと思ってるだけだろ。





っああーくそ！



どうする俺⁉







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