You are mine (ページ29)

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#29 ページ29

亜○side

もう少し、もう少し

＊「ねぇ～亜○～」

亜「…」

＊「ねえってば！」

どうしてこうも女は皆うるさいんだ。

1回抱いたぐらいで、彼女気取り。

僕が欲しいのはたった1人だけなのに。

北「兄さん、もう僕限界だよ、Aが辛そうにしてるのを見てられない」

慎「俺も、もう写真を理由に家を出るなんて無理だし」

壱「Aといる時間が減ってる」

玲「今すぐ帰りてぇ～」

亜「皆、もう少し我慢してくれ。
もう少しで、Aは俺達を求めてくれる」

そう、

この1ヶ月間、Aにたっぷり愛情を注いだ。

その愛情が当たり前になった頃だろう。

あえてAから離れることで、彼女に虚無感を与える。

そしたら、彼女は気づくだろう

prrr…

あの女からの電話。

Aを振り向かせるために使う駒。

だけど余りにもしつこくて嫌になる。

でも今はこのリビングにAがいる。

きっと昨日のことでなにか思ってるはずだ。

…演技するしかないか…

電話を終えて、着替えてAに声をかける

亜「ごめん、俺ちょっと出るね」

「…」

Aからの返事がない。

ずっと一点を見つめてる。

Aの名前を2度呼ぶとハッとこっちを向く

亜「…大丈夫？」

「あっ、大丈夫です！
行ってらっしゃい！」

亜「…うん」

リビングのドアを閉めて、思わずニヤける

亜「あぁ…可愛い…」

待ち合わせ場所に行くと、俺に気づいて走ってくる女。

香水の匂いがきつい。

＊「遅いよ～！」

亜「もう、君に会うことは二度とないから」

＊「えっ…何言ってっ…」

亜「良い仕事してくれてありがとう」

＊「仕事って…？」

亜「少し使わせてもらったけど、もういらないや」

＊「どうゆうことっ…」

亜「もう用済みだって言ってんの。
消えてくんない？」

＊「ｯ…嫌よ…そんなの嫌！」

女はカバンからカッターを取り出す。

なんでそんなの持ってんだよ

＊「私、あなたがいないなら、ここで切るから！」

はぁ…

「じゃあ切れば？」

俺は女に背を向けて歩く

俺にとってはどうでもいい。

俺にとって大事な人は、1人だけだから。

亜「さぁ、早く帰ろう」

君だけだから