《ちはやふる》世界は嘘で廻ってる (ページ2)

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Story2nd　《転校》ページ2

今日から通う高等学校

その名も北央学園

私は今日から嘘にまみれた生活を始める

「夢前さん、あなたのクラスは３年２組よ。皆と仲良くできるといいわね。」

「はい、そうですね。」

まず1つ目の『嘘』

仲良くできるなんて思ってない

仲良くしようなんて思わない

「皆さん席に着きなさい！転校生の夢前Aさんです。仲良くしてくださいね！」

「うわー美少女キター！」

「山本君、うるさいですよ。じゃあ夢前さんの席は…須藤君の隣ね。あ、須藤君は後ろの席の大きい子だから。」

「はい。」

よかった…

１番後ろの窓際だ

特等席

「ねぇ肌白いね！あ、私、夏恋！」

「俺、裕太！美人だな！」

「ふふっ、ありがとう。」

はい、出ました

2つ目の『嘘』

ありがとうなんて思わない

美人なんて言われても嬉しくない

むしろ他の人と比べられてて嫌

不愉快

「夢前って美人だから母さんも美人なんだろ？」

「分かんないけど多分ね…」

「お父さんは？」

「イケメン…なのかな？」

一気に3つ目と4つ目の『嘘』

私にはお父さんもお母さんもいない。

両親は私を捨てたから

だから引っ越してきたんだし

きっと誰も私の『嘘』には気づかない

気づいてくれない

私はつきたくてついてるんじゃない

視線を感じる

隣の須藤っていう人の…

見られてる

見られるのは好きじゃない

「これからよろしくね？」

よろしくなんてしたくない

たった30分で5つの『嘘』

『嘘』をつくなんて簡単なこと

誰にでもできること

でも『嘘』を見破ることは

誰にでもできることじゃない

「…嘘ついてて楽しいか？」

ﾎﾟｿｯとそう言われた気がした

「よろしく」と言って

「嘘ついてて楽しいか？」なんて言われる事なんて想定外だった

なぜコイツは気がついたんだろう

でも『嘘』に気づいた所で良いことが起こるわけじゃない

逆に嫌なことが起こる確率の方が断然高いのだ