Fin. ページ49
父親の方は既に涙腺が崩壊したのか、顔が涙と鼻水でべちょべちょに濡れている。
美澄先輩の母親によりベールダウンのセレモニーが行われる。
そして、再び父親と腕を組み、ゆっくりと祭壇の前にいる五条先生の元へと進んでいく。
ちょうど俺の横を通る時に、美澄先輩は俺の方を向いて小さく、ありがとうと呟いた。
どういう意味なのかは分からなかったが、この人が幸せそうなら良いか、そう思った。
結婚の宣言、指輪の交換、そして誓いのキスへと式は進行していく。
牧師の言葉と共に、五条先生と美澄先輩の唇は重なった。
それはいやらしいものではなく、本当に神聖な儀式のようだと思った。
誓いのキスのあと愛おしそうに見つめ合う姿は、誰がどうみてもお似合いの2人だった。
神様なんてものが本当にいるのなら、この2人の今後の人生がたくさんの笑顔と幸せが溢れるものとしてほしいと、願わずにはいられなかった。
2人らしい、笑いと涙に溢れたとても良い結婚式だった。
＊ ＊ ＊ ＊
結婚式、披露宴、2次会を終えて、私たちは自宅のマンションに戻ってきた。
ホテルに泊まっても良かったのだが、このところ多忙だったので、何となく家で落ち着きたい気分だった。
『あ、』
「ん？どうしたの？」
『真希から今日の結婚式の写真送られてきたの。披露宴の写真もある！』
悟くんは、ソファに座りながらスマホを確認する私をソファ越しに抱きしめた。
「どれどれ？…おー、ほとんど僕写ってないね！泣いていいかな？」
『ほんとだ。悟くん嫌われてるねぇ。でもみんな良い顔してる。』
間違いなく人生で1番幸せな1日だったと思う。
未だに興奮が収まらない。
「疲れたでしょ、今日はもう寝る？」
『なんかまだ興奮しちゃって…今日はオールしちゃおっかな？』
「だーめ。お肌にも悪いし。それに、」
悟くんはいつの間にか私の隣に座っていた。
お風呂上がりでボディソープの良い匂いが漂ってくる。
「今日は初夜なんだから。新妻を目一杯可愛がらないとね。」
そう言いながら私にキスをしようとする悟くんだったが、私がキスの直前で声を上げたので動きが止まった。
『悟くん。』
「うん？」
『……愛してる。』
「……ッハ。このタイミングで言うのずるいね。ていうか、俺の方が絶対愛してるし。」
合わさった唇は柔らかくて、暖かくて、
きっとこの先も私たちは幸せなのだろう、そういう予感しかしなかった。
この恋は期限付き Fin.
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ユリ.(プロフ) - riyaさん» こんばんは！楽しみにお待ちいただいて、ありがとうございます(^^)実はまだ1行しか書いていないので、2話くらいかけたらパスワード外して公開しますね。もうしばらくお待ちください！！ (2021年6月19日 23時) (
レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - こんばんは。続編のパスワード教えて下さい。楽しみに待ってます (2021年6月19日 23時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - あぷるさん» ありがとうございます！あぷるさんの心の支えの一部にでもなれたなら、とても光栄です！！そうなんです…切ない系の恋が大好きすぎて、何度もすれ違わせてしまいました。そして続編でも…すれ違う予定です。（笑）！優しいお言葉もありがとうございます☆ (2021年6月16日 21時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - 完結本当におめでとうございます。最近の心の支えだったといっても過言ではないです！笑 すれ違いを重ねる恋がもどかしくって…完結と思うと寂しいですがまた新作などがありましたら飛んできます!!お疲れ様でした。いつか結婚式をユリさんが挙げれること祈っています (2021年6月15日 18時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - そうなんですか!楽しんでコメント読んでいただいて光栄でござりまする。(ほぼ素) (2021年6月15日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユリ． | 作成日時：2021年5月6日 0時
