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『あ、知ってるんですか?』
「私の好きな俳優が出てるんだからアンタも絶対見なさいよ!呪うわよ!って言ってたから一応観てた。ただストーリーはイマイチだったね。」
野薔薇ちゃんが観ろと言ったドラマを素直に観る五条先生がなんだか可愛く思える。
思わずプッと吹き出して笑うと、五条先生は不思議そうな顔をした後、あ!と大きな声を出してリビングから出ていった。
きょとんとしている間に五条先生はどこからか白いコンビニの袋を掴んで帰ってくると、嬉しそうにそれを私に差し出した。
受け取れと言うことだろうか、手を伸ばしてその袋を掴むと思ったよりも重くてびっくりした。
袋の中を覗き込んで、バッと五条先生の顔を見た。
『これって…!』
「そうそう、〈結婚するなら?〉」
『ゼクシィ…!』
ゼクシィの存在はもちろん知っている。中学生位の時にCMを観ながら、いつか自分もこの雑誌を買う日が来るのかなぁと漠然と思っていたのだが、まさかこんなに早くに見ることになるとは思いもしなかった。
ずっしりと重い雑誌をパラパラと捲ると、所狭しと色んな式場の情報や、結婚にまつわるQ &Aが載っていた。
「流石に買う時、ちょっと恥ずかしかったね。でも今日一緒に読みたかったからさ。」
『あ、でも結婚式って神前式なのでは…?』
五条家くらい由緒正しい家は、教会式などではなく、厳格な神前式になるだろう。
そう思って憧れはあったが、ウェディングドレスなどは見ないようにしていた。
「まあ、確かに家柄的に一応正式なのは神前式だけど。神前式もやって、教会式か人前式でもやれば良いんじゃない?僕Aのドレス姿見たいし。そのまま披露宴もすれば良いしね。」
五条先生がドレス姿も見たいと言ってくれたことが嬉しくて、ゼクシィを見つめながら唇を噛み締めた。
「どうしたの?もしかして結婚式興味なかった?」
私が嬉しさを噛み締めすぎて無言だった為、五条先生は少し不安そうな声で聞いてきた。
『…嬉しすぎて、死にそうなんです…。』
私がそう言うと、五条先生は噴き出して笑いながら
『今死なれたら困るね。これからもっと幸せにしないといけないのに。」
と言うのだった。
私が改めてゼクシィを一番初めのページから捲ろうとしていると、五条先生は私の隣に座って
「A、僕の膝に座って。」
と自分の膝をぽんと叩きながら、真面目な顔で言いだした。
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ユリ.(プロフ) - riyaさん» こんばんは!楽しみにお待ちいただいて、ありがとうございます(^^)実はまだ1行しか書いていないので、2話くらいかけたらパスワード外して公開しますね。もうしばらくお待ちください!! (2021年6月19日 23時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - こんばんは。続編のパスワード教えて下さい。楽しみに待ってます (2021年6月19日 23時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - あぷるさん» ありがとうございます!あぷるさんの心の支えの一部にでもなれたなら、とても光栄です!!そうなんです…切ない系の恋が大好きすぎて、何度もすれ違わせてしまいました。そして続編でも…すれ違う予定です。(笑)!優しいお言葉もありがとうございます☆ (2021年6月16日 21時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - 完結本当におめでとうございます。最近の心の支えだったといっても過言ではないです!笑 すれ違いを重ねる恋がもどかしくって…完結と思うと寂しいですがまた新作などがありましたら飛んできます!!お疲れ様でした。いつか結婚式をユリさんが挙げれること祈っています (2021年6月15日 18時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - そうなんですか!楽しんでコメント読んでいただいて光栄でござりまする。(ほぼ素) (2021年6月15日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリ. | 作成日時:2021年5月6日 0時