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真希の言葉にスマホを確認するも、昨日充電せずに寝たため、充電が切れていた。
「ごめーん!充電切れてた。ところで皆さんおそろいでどうしたの?なんか用?」
「なんか用?じゃねぇ!Aさんが禪院直哉と結婚させられそうになってる!」
僕以外のみんなは状況を事前に聞いていたようで驚きはしていなかったが、額に汗は浮かんでいる。
「あー…そう言うことか。」
真希の言葉に色んなことの合点がいった。
突然高専を休学して、行方をくらませたこと。
言えない、聞かないでと言って詳しく状況を説明しようとしないAの行動。
自分を殺して欲しいとお願いして来たこと。
「悟、オマエならどうにか出来るだろ?!」
真希の言葉に全員が僕を見る。
その目には期待の色が浮かんでいる。
だけどその期待に、僕は応えることができない。
「ごめん、無理。僕にもどうにもできない。」
僕が言った発言に、その場にいた全員が凍りついた。
部屋の温度がグッと下がる感覚がした。
「なんでだよ!?オマエなら何とか出来るだろ!五条家の権力とか使ってさ!」
「真希、いくら僕が五条家の人間だからと言って、禪院家の婚姻問題には首を突っ込めない。御三家には御三家のルールがあるんだ。不可侵の領域があるって言えばいいのかな。どんなに理不尽な関係だと分かっていても、その家のやり方には口を出せないの。」
僕の言葉に怒りの感情を露わにする真希は、もうどうにも気持ちを抑えることができないらしい。
僕の胸ぐら掴んで、今にも殴りそうな勢いで言う。
「じゃあ悟は!Aさんがこれから息もまともに出来ないようなら生活を送ることになっても良いのかよ!禪院に嫁いだ身として、男に虐げられて、子どもを産むだけの機械みたいな扱いをされることになっても!オマエは平気なのかよ?!」
パンダが僕に掴みかかる真希の手をゆっくりと引き離して、真希を後ろから抱き抱えるようにして立つ。
「…多分Aは、その禪院直哉って奴と何らかの縛りを結んでいる。」
再び僕以外の全員が凍りついたように動かなくなった。
「ハッ…。そう言うことか。確かにあいつならそういうやり方もやりかねねぇな。」
真希は吐き捨てるように、自嘲するかのように言った。
「Aの言動からすると、自分と結婚しないと誰かを殺すと言われてる可能性が高い。縛りを結んでる以上、僕でも介入は出来ない。完全にお手上げだよ。」
「五条先生…本当にどうにもなんねぇの?」
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ユリ.(プロフ) - riyaさん» こんばんは!楽しみにお待ちいただいて、ありがとうございます(^^)実はまだ1行しか書いていないので、2話くらいかけたらパスワード外して公開しますね。もうしばらくお待ちください!! (2021年6月19日 23時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - こんばんは。続編のパスワード教えて下さい。楽しみに待ってます (2021年6月19日 23時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - あぷるさん» ありがとうございます!あぷるさんの心の支えの一部にでもなれたなら、とても光栄です!!そうなんです…切ない系の恋が大好きすぎて、何度もすれ違わせてしまいました。そして続編でも…すれ違う予定です。(笑)!優しいお言葉もありがとうございます☆ (2021年6月16日 21時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - 完結本当におめでとうございます。最近の心の支えだったといっても過言ではないです!笑 すれ違いを重ねる恋がもどかしくって…完結と思うと寂しいですがまた新作などがありましたら飛んできます!!お疲れ様でした。いつか結婚式をユリさんが挙げれること祈っています (2021年6月15日 18時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - そうなんですか!楽しんでコメント読んでいただいて光栄でござりまする。(ほぼ素) (2021年6月15日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリ. | 作成日時:2021年5月6日 0時