検索窓
今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:206,877 hit

137※ ページ20

確かに、死んでまで執着することはないだろう。
直哉さんにとっては、私はただの子どもを産むための駒でしかないだろうし。

「Aが反転術式を使えることは高専内の人間しか知らないんだ。そして、硝子が半年間外に任務に行っていたことも一部の人間しか知らない。硝子が外に任務に出るという情報が知れたら、頭のおかしい呪詛師が硝子を狙いにいく可能性があるし、硝子がいないことを良いことに高専関係者をボロボロにしようとする奴がいるかも知らない。そういう訳だから、Aが硝子の代わりに東京校に来たのも、表向きにはただの期間限定の転校生みたいな感じだったんだよね。まあ、アイツが真依あたりに聞いてたら反転術式が使えることもバレてたかも知れないけど。そこまで頭の回らないやつだったからよかったよ。」

そう言えば、一度だけ直哉さんになぜ東京校に居たのかと聞かれたことがあった。
答える義理がないと思ったから答えなかったけど、それが逆によかったのか。




「それでAが何故生き返ったのかって話だけど、Aの意思は確かに死を望んでたと思う。だけど人間ていうのは本来、生存本能が強い生き物なんだ。君にとっては僕は死を与えてくれる者であり、深い愛情の対象でもあった。死の間際、君は僕を目にしたことにより、無意識に脳は生きたいと願った。つまり、生きるということに執着した。理屈がどうこういう話じゃない。君の僕に対する愛が、自分自身を生き返らせたというわけだ。まあ、君は元々何かを再生させたりする正の力が強い術師だからね。それでも僕の攻撃を受ければ、すぐには立ち上がれない。アイツにAは死んだと思わせる時間は十分にあったよ。」


五条先生の言葉に、私は1つ疑問を覚えた。

『五条先生は…私が死なないって分かってたんですか?』


「分かってたというよりも、信じてたって感じかな。君の僕に対する愛を。」

そう言いながら、五条先生は私の顔を両手で包み込んだ。

138→←136※



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (275 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
991人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ユリ.(プロフ) - riyaさん» こんばんは!楽しみにお待ちいただいて、ありがとうございます(^^)実はまだ1行しか書いていないので、2話くらいかけたらパスワード外して公開しますね。もうしばらくお待ちください!! (2021年6月19日 23時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - こんばんは。続編のパスワード教えて下さい。楽しみに待ってます (2021年6月19日 23時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - あぷるさん» ありがとうございます!あぷるさんの心の支えの一部にでもなれたなら、とても光栄です!!そうなんです…切ない系の恋が大好きすぎて、何度もすれ違わせてしまいました。そして続編でも…すれ違う予定です。(笑)!優しいお言葉もありがとうございます☆ (2021年6月16日 21時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - 完結本当におめでとうございます。最近の心の支えだったといっても過言ではないです!笑 すれ違いを重ねる恋がもどかしくって…完結と思うと寂しいですがまた新作などがありましたら飛んできます!!お疲れ様でした。いつか結婚式をユリさんが挙げれること祈っています (2021年6月15日 18時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - そうなんですか!楽しんでコメント読んでいただいて光栄でござりまする。(ほぼ素) (2021年6月15日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユリ. | 作成日時:2021年5月6日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。