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突然絡まれた指に戸惑って五条先生を見ると、とても、優しい笑みを浮かべていた。
私のことを愛しいと言わんばかりに細められた目は、やっぱり美しく青く輝いていた。
「君に大事な話を3つするね。」
手を恋人繋ぎのように繋ぎながら五条先生は語り始めた。
「君が眠っている間に、禪院直哉との婚約は正式に破談になった。そして僕、五条悟とAが婚約することになった。Aのご両親の承諾のもとでね。」
今度は私がぽかんと口を開けた。
五条先生と繋いでいない方の手をゆっくりと頬へ持っていき、摘んだ。
普通に痛い。
「夢じゃ無いっていってるでしょ。どんだけ信じられないんだよ。」
摘んでいた手を引き剥がしながら、五条先生は笑った。
「禪院直哉との婚約は一応双方同意の元で破談になったけど、まあアイツは今回の件で相当恥かかされてるから、何をしでかすか分からない。今度こそ君をどうにかして殺したり、もちろんご両親にも手を出す可能性がある。だから禪院家と同等かそれを以上の力を持った者が保護をする必要があった。」
五条先生は続ける。
「禪院家と同等と言うと、加茂家か五条家しかないんだよね。憲紀はAと同い年だし、顔も知ってるしでそれなりに都合良かったのかもしれないけど、何せまだ事情を分かってない。事情を分かっても加茂家がすんなり受け入れるかが分からない。保護して何か大きな見返りがあるならまだしも、悪いけど美澄家は何かしらの権力を持っていたりする訳じゃ無いからさ。手っ取り早いから僕と婚約したってことにすれば、禪院家は迂闊に手を出さないからさ。Aの両親にも説明して、とりあえず婚約したよ。ごめんね、勝手に決めて。」
五条先生の話を聞いても本当にこれは現実なのか、未だに実感がわかない。
確かに繋がれた手は温かくて、なんだか妙に落ち着くけれど。
「ただ、僕の五条家もタダで保護するってわけには行かなくてさ。僕と結婚したら、5年以内に子どもを儲けること。それも、五条家相伝の術式を持った子どもをね。」
「Aのご両親は婚約は了承したんだけど、本人にも意思を確認して欲しいって。今回のことでAを傷つけてしまったことをすごく気にしていてね。僕はAが僕と結婚したく無いって言っても、五条家としてじゃなく、僕個人としてAと美澄家は守るつもりだよ。そこは安心して。で、Aの気持ちはどう?」
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ユリ.(プロフ) - riyaさん» こんばんは!楽しみにお待ちいただいて、ありがとうございます(^^)実はまだ1行しか書いていないので、2話くらいかけたらパスワード外して公開しますね。もうしばらくお待ちください!! (2021年6月19日 23時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
riya(プロフ) - こんばんは。続編のパスワード教えて下さい。楽しみに待ってます (2021年6月19日 23時) (レス) id: 0599723b2d (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - あぷるさん» ありがとうございます!あぷるさんの心の支えの一部にでもなれたなら、とても光栄です!!そうなんです…切ない系の恋が大好きすぎて、何度もすれ違わせてしまいました。そして続編でも…すれ違う予定です。(笑)!優しいお言葉もありがとうございます☆ (2021年6月16日 21時) (レス) id: f91a1710c7 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる - 完結本当におめでとうございます。最近の心の支えだったといっても過言ではないです!笑 すれ違いを重ねる恋がもどかしくって…完結と思うと寂しいですがまた新作などがありましたら飛んできます!!お疲れ様でした。いつか結婚式をユリさんが挙げれること祈っています (2021年6月15日 18時) (レス) id: 9ae6da1d4e (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - そうなんですか!楽しんでコメント読んでいただいて光栄でござりまする。(ほぼ素) (2021年6月15日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリ. | 作成日時:2021年5月6日 0時