【藍月すりっぷ】紆がって、余って、曲げて、折って【男主】 (ページ7)

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六話ページ7

白夜、なんかちょっと変わった気がする。
訊かなかったけど、恋人でも出来たのかな。
まぁ、そこは俺が詮索するとこでもないけど。
白夜はいっつも、俺の悟られたくないとこ全部見抜くからなー。
いつまでも藍月の優しさに甘えてちゃいけないのは分かってんだけど、どうしても踏み出す勇気がないというか、藍月と離れることになるのが耐えられないというか...
『...帰ろ』

＜A宅＞
ずっと一人を思い続けてる。
一番近くに居て、最も近寄りがたい奴。
俺のことを一番知ってて、俺が最も知らない奴。
知れば知るほど知らなくて、理解しようとすればするほど解らない。
俺がしていることは、あいつに近づけるどころか忌避されることで、
あいつを思えば思うほど、俺はあいつから遠ざかる。

そろそろ、終わりにするべきなのかもしれない。

終わらせるにはどうするべきだろうか。

そんなものは、端から分かっている。

結局、タイミングを計りかねてただけだ。

『いい加減、わがままに付き合わせるのもしんどくなってきたし』

これで、終わる。

『あーあ、大学生活あと一年と半年以上、どうやって過ごしたもんかな』

携帯を取り出し、LINEを開く。
今日、お前ん家行きたい。行く。
それだけ送り、携帯を投げる。

風呂へ入り、精いっぱい身だしなみを整える。
こんなことをしても、あいつが振り向くわけもないのに。

パソコンを開き、精いっぱいに文字を綴る。
こんなことをしても、どうせ本番では詰まって言えないのに。

携帯を拾い、通知を確認する。
あいつからの返答は、たった一言だった。

"分かった"

それが、ひどく冷たい言葉に感じたのは、気のせいだと信じたい。

～夜～

この時間は、いつもあいつがくつろいでる時間。
一人になりたい時間なのかもしれないけど、もう決めたんだからやるしかない。
一時期藍月の家に通い続けてたら、めんどくさいからって鍵をくれた。
今日はこれを使う最後の日。ちゃんと返さないとな。
ｶﾞﾁｬｯ