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一話(side you) ページ1

『俺、もうダメかもな』
「いやいきなりどうしたんだよ」
俺の名前は猫塚A。
隣に居るのは幼馴染の藍月。
現在大学三年生の俺には、二つほど人と違う点がある。
まず一つは、同性愛者であること。
自覚したのは中学生の頃で、かれこれ半生を自覚しながら生きている。
そして二つ目に、束縛されるのが好きなこと。
束縛と言っても色々あるわけだが、俺は俺だけが相手に求められてることが嬉しいタイプ。
しかし、これの所為で俺は多くの恋人に振られて来た。
曰く、「優しくしたい」とか「ちょっと重い」とか「そういう趣味はない」とか。

『どうもこうもねーんだって』
「言ってみろよ」
『だって、また振られたんだもん』
「誰に?」
『大学の先輩』
「どんな人?」
『凄い優しい人』
「最後の言葉は?」
『君を傷つけるようなことはしたく無い』
「いつものだな」
『俺、別に傷つきたいわけじゃないんだよ。ただ俺が好かれてるって実感を体験として感じたいだけなのに』
「それ、いつも言ってるな」
『本心だからな』
「でも、分かってくれる奴はいないのか」
『...そう』
「まぁ、普通逆だからな。束縛彼氏なんて言葉も出来るくらい、普通は嫌悪の対象だし」
『なんでなんだろうな。流石に閉じ込めるーとかまでされるのは違うけど、キスマつけるとか予定こまめに聞いてくれるとか、嬉しくない?』
「残念ながら、俺には分かんないな」
『そっか...』
「まぁでも、合わないなら早々に別れて正解だったんじゃないか?」
『そうなのかな』
「そうだろ」
『あヤベ。昨日紺野先輩に頼まれてたことあんだった』
「誰?」
『別の先輩。俺の持ってる資料が見たいんだって』
「ふーん。同じ学部?」
『え?うん。仲良くなった他校の先輩に貰った資料なんだけど、それなりに貴重なものみたいでさ』
「そうなんだ」
『藍月は?課題とか大丈夫なの?俺、振られるたびにお前に迷惑かけてるけど』
「俺は大丈夫」
『流石だな〜。その余裕が俺にも欲しい』
「俺の場合、たまに慢心だけどな」
『それでもなんとか出来ちゃうんだから、藍月はずるいよな』
「お前に言われたくないな。お前だって、課題は絶対三日前には終わらせるくせに」
『まぁまぁ。そういうことだから、俺帰るわ』
「今日は泊ってかねーんだ」
『紙媒体の資料だし、結構奥にしまった気がするから、早めに帰って探しとかないと』
「そっか。じゃあまた明日な」
『邪魔したな』

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作者名:ストーリーテラー | 作成日時:2023年3月27日 22時

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