Civil War － After story － (ページ35)

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○ ページ35

１９４３年

今度も同じ家だが光景は変わっていた。

さっきまで綺麗だったお母さんが痩せ細くなり
今にも危ない状況なのは見てわかった。

その側には成長したAがいた。
必死にお母さんの手を握り目には涙を溜めている。
Aも痩せていて病弱のようだ。

お父さんの姿は見当たらなかった。

『…A…私はもうすぐいなくなる。
お父さんも戦場に行って、いなくなった…
でも…これだけは言えるわ。
あなたは１人じゃない。
いつでもあなたの側にいるわ…』

『お母さん…』

『あなたはまだ私のところには来ないでね…

それじゃあね…』

『お母さん！！！』

彼女のお母さんはゆっくりと目を閉じた。
彼女は泣いていた。目が大きく腫れるほど。

そしてまた場面が変わり
喪服を着たAが
１人でお墓の前にただ立っていた。

名前は２つ刻まれていた。
お父さんとお母さんの名前だ。

お墓の前で静かに泣く彼女は
いきなり膝をつき咳をした。

手には血が付いていた。

『お母さん…ごめんね。
たぶんもうすぐそっちに行くよ…』

彼女はそう呟きながら空を仰いだ。

その姿を見て僕は自然と涙が出た。