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風邪っぴき 【ななもり】 ページ9

今日はなーくんとデート!

…の予定なんだけど、おかしいです。なーくんが一向に来ません。

ラインをしてみても既読がつかない。

昨日迎えに来るって言ってたんだけどなぁ

『行ってみかるか…』

そう呟いて、私はなーくんの家へと足を進めた。

なーくんの家は電車を乗り換えて行かなければならないから、なかなか遠い。

いつもこの距離を迎えに来てくれていたんだと思うと、なんだか申し訳ないけど、嬉しくて。

思わず上がる口角を隠して、私は電車をおりた。

相変わらずLINEの返信は来ない。

なーくんって本当にしっかりしてて、今までも遅刻なんてしたこと無かったから余計に心配だ。

駅からしばらく歩くと、なーくんが住んでいるマンションが見えた。

なーくんの部屋がある階まで上り、インターホンを押す。

ピンポーンと音が響いて数秒後、扉が開く。

そこには、顔が真っ赤でいつになくしんどそうななーくんが立っていた。

『えっ、なーくん?! 大丈夫!?』

「あ、れい…。 ごめん、俺…」

そう言って倒れそうになったなーくんを何とか支える。

『私は大丈夫だよ。とりあえず中入ろう。』

そう言って、なーくんと一緒に部屋に上がった。

なーくんをベットに寝かせ、自分もそばに座る。

『はい、体温計。』

「ありがと…」

なーくんは掠れた声でそう言って、体温計を受け取った。

「…38度」

『結構あるね。』

普段、会社で働きながらすとぷりとしての活動をしているなーくん。

それだけでもかなり大変なのに、なーくんはリーダーという立場だ。

前から忙しそうにしていたのはメンバーの私達も分かっている。

その疲れが溜まってしまったのだろう。

『大丈夫?』

「なんとか。ごめんね、れい。」

『え?』

「今日、デートだったのに…。」

そう言って、本当に申し訳なさそうな顔をするなーくん。

見るとベットの近くにかかったハンガーには、今日着ていくつもりだったであろう洋服がかかっていて。

机に置かれた小さなカレンダーには今日の日付が赤い丸で丁寧に囲まれていた。

本当に楽しみにしていてくれたことが伝わってきて、私の方が胸が痛くなる。

『大丈夫だよ。 また今度行こう。 今は、体調治すのが第一!』

そう言って笑ってみせると、なーくんは少し安心したように口角を上げた。

『冷えピタとかないよね? 買ってくるよ。ついでにお粥とかも作ろうか。』

そう言って立ち上がる私。

そんな私の腕をなーくんが後ろから掴んだ。

「…やだ。」

*→←髪色【ジェル】



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KIRA(プロフ) - や、やばい………きゅんきゅんが止まりません…!!更新ふぁいとです!!!楽しみにしてます!!! (2018年5月31日 13時) (レス) id: 4fc314a0e8 (このIDを非表示/違反報告)
月乃ーつきのー(プロフ) - はる さん» 気遣いまでしてくれるなんて(//∇//) ありがとです! 頑張ります! (2018年5月29日 18時) (レス) id: 6da1e8a878 (このIDを非表示/違反報告)
月乃ーつきのー(プロフ) - 緋色 莉雨さん» ありがとうございます! 頑張りますねー! (2018年5月29日 18時) (レス) id: 6da1e8a878 (このIDを非表示/違反報告)
はる  - もちろん作者さんのペースで無理のない程度に! (2018年5月26日 20時) (レス) id: 862f20aed9 (このIDを非表示/違反報告)
はる  - やばいです!心臓バックバクで!たのしみです、頑張ってください (2018年5月26日 20時) (レス) id: 862f20aed9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月乃ーつきのー | 作成日時:2018年5月6日 18時

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