この想いが届くとき (ページ24)

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第24話ページ24

茉那果｢蘭子…？｣

その拳はふとした瞬間に振りかざされたまま降りてこない

その代わりたくさん降ってくるのは蘭子の目からこぼれ落ちる涙ばかり

蘭子｢なんで…？｣

視界の端には足を撃たれて立てない莉音を庇うように立つ蜜葉と保奈美さん

そして幹部のヤツらが心配そうに蘭子を見つめてる

すると保奈美さんが私の元へゆっくり歩いてきた

保奈美side

保奈美｢鈴蘭は守りたかったんだよ。自分の大切なものを。それがどんなに形であれ。でも結局はてめぇが生きていなきゃ守れないんだ。あの子は自分の命と引き換えに大切なものを守りたかったんだ。でも、それが引き金でただ周りが壊れちまったんだ。誰も予想してなかったことだよ。
あんたが辛かったのは、話で聞いていた。分かってる。でも、茉那果は小さい頃からずっと苦しんでたんだ。両親もいない。こんな世界に入るしかなかったんだ。どんなに危ない世界でも、仲間が欲しかったんだよこの子は。｣

茉那果｢保奈美さん…｣

保奈美｢蘭子ちゃん。あんたがしたことは最悪だ。お姉ちゃんの足元にも及ばない。でもね、まだやり直せる。今回のことは公にはしない。まだ戻れるんだよ。｣

こんなに手ボロボロにして。
鈴蘭が、言っていた。自分の妹は喧嘩も知らないなんでもできる才色兼備なとても思いやりのある普通の女の子だと。それが自慢だと。

保奈美｢知ってるんでしょ？本当は茉那果のせいであの子が死んだんじゃないって。お母さんだって心配してるんだ。もう帰りな。普通の女の子に戻ればいい。まだ遅くない｣

蘭子ちゃんはワンワンと泣き出した。
それはまるで子供おもちゃをこわしてしまったかのように

蘭子｢でも…もう引き返せないっ！｣

保奈美｢蘭子ちゃんっ！｣

銃を取り出し自分に向ける

蘭子｢お母さんが、捕まってるの！お願い！私に近寄らないで！｣

保奈美｢蘭子ちゃっ｣

バンッ！

その音と共に倒れたのは紛れもなく蘭子と茉那果の2人だった