第9話 ページ10
愛叶side
愛叶｢ありがとう｣
私はこれから彼らと過ごす。
そのため、このアパートにはもう帰らない。
雅貴｢お姉さんのことあってから引っ越してないの？｣
愛叶｢ううん、引っ越したよ。お姉ちゃんと住んでたアパートは引き払って、ここに越してきたの。｣
広斗｢荷物これだけ？｣
愛叶｢うん。もともと家具とかは備え付けだし、服とか最低限のものはいつでも運べるようにまとめて置いてたから、これだけ。｣
雅貴｢よし、じゃあ行きますか。｣
広斗｢そうだな｣
2人はそう言って、玄関に向かって歩き出した。
広斗｢愛叶｣
愛叶｢ん？｣
広斗｢絶対守るから｣
愛叶｢え…｣
広斗｢行くぞ｣
彼はふいっと前を向き、スタスタと言ってしまった
雅貴｢素直じゃねーの｣
愛叶｢え？｣
雅貴｢あいつが言い出したんだよ？愛叶ちゃんのこと連れて帰るからって｣
愛叶｢広斗が？｣
雅貴｢そう。俺は一目会った時から愛叶ちゃん狙ってるから全然ウェルカムだったけど、広斗があんなに真剣にお願いしてくると思わなくてびっくりしたよ笑｣
よし、俺らも行こ！
雅貴さんはそう言って私の肩をポンポンと叩くと歩き出した。
外では広斗がだるそうにバイクに体を預けながら立っていた。
愛叶｢広斗｣
広斗｢あ？｣
愛叶｢ありがとう｣
広斗side
ありがとうと俺に微笑んだ愛叶の顔があまりにも綺麗で一瞬目を奪われてしまった。
広斗｢…なにがだよ｣
愛叶｢私の事匿うって言ってくれたの広斗なんでしょ？全部聞いたよ｣
広斗｢おい、雅貴！｣
雅貴｢…よし。じゃあ俺は先に行くわ！｣
広斗｢おい！てめぇ！逃げんな！！｣
雅貴は俺の生死も聞かず、そそくさと先にバイクを走らせた。
広斗｢ったく…。｣
振り向けば愛叶がケラケラと笑いながらヘルメットを被っていた。
広斗｢お前さ、なんで自分を庇ってくれるのか聞いたよな｣
愛叶｢え、うん。｣
広斗｢お前が悲しそうだったから。｣
愛叶｢え？｣
広斗｢初めてお前を見た日、お前が悲しそうで寂しそうで、そのくせ俺らのこと突き放して1人になろうとしてたから。だから、俺がそれを埋めたいって何となく思った。なんでか知らねぇけど、そばにいてやりてぇと思ったんだよ。｣
愛叶｢広斗…｣
広斗｢それが俺の本当の理由だよ。｣
なんでか知らないなんて嘘だった。知っていた。
俺はこいつに惚れている。初めて見たあの日から。
愛叶｢ありがとう｣
そう言って彼女はまた微笑んだ
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クロ - 気になる終わり方をしているので凄く気になるんですよねー (2019年10月27日 8時) (
レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
クロ - １つの小説どれか完結まで書いて欲しいですね！どれも中途半端だと思います！ (2019年10月26日 6時) (レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：繭 | 作成日時：2019年10月13日 3時
