第6話 ページ7
愛叶「え、それだけの理由で…?」
広斗「あ?」
愛叶「ありがとう。本当に…」
雅貴「あー!広斗が凄むから愛叶ちゃん恐がって泣いちゃったじゃん!!」
広斗「は?」
愛叶「ち、ちがっ!」
雅貴「ほらー!おいで!お兄さんが慰めてあげよう!」
愛叶「ひっ」
広斗「嫌がられてんぞ」
雅貴「は!?ちがうから!嫌がられてないから!!」
愛叶「あははははは!!!」
2人のやり取りが面白く、思わず笑ってしまう私に2人は驚いたように目を向ける。
愛叶「は〜笑った…。」
2人が座るソファーの端に腰掛ける私を2人はじーっと見つめる。
愛叶「気になりますよね?私がなんであの日あそこにいたのか。」
雅貴「いや、無理に言わなくても」
愛叶「おふたりに話します。私のこと全部。」
〜3年前〜
愛叶「お姉ちゃん今日はー?」
叶女「えー?今日?」
愛叶「だめ?」
叶女「んもう!仕方ないなぁ!特別ね!」
愛叶「ありがとう!じゃあ行ってきます!」
前の日喧嘩をした私たちは朝仲直りをした。私はどうしてもお姉ちゃんが作ってくれるハンバーグが食べたくて、昨日に引き続きお願いをして、わがままを押し通した。お姉ちゃんは私より3つ上で、美人で成績優秀、性格も良くて誰からも慕われる才色兼備を絵に書いたような人だった。でもお父さんとお母さんが亡くなって、2人ばらばらで親戚に引き取られるとなった時、お姉ちゃんは2人が離れて暮らすのはいやだからと私の面倒は一生自分で見ると言って、高校を辞め水商売を始めた。
私はそんなお姉ちゃんが大好きだったし、バカにされたりしたことはあったけどくだとも思わなかった。
でもそんなに日常は簡単に崩れた。
愛叶「ただいまー!」
電気がつけっぱなしで、デミグラスソースのいい匂いがするキッチンへスキップで向かう。
愛叶「お姉ちゃん!ただいまー!」
お姉ちゃんはソファーに横になっていた
愛叶「もう!風邪ひくよ?」
全然起きない姉に、毛布をかけようと近づいた時だった。
愛叶「お姉ちゃん…?」
姉は真っ白な顔をして呼吸を止めていた。
愛叶「司法解剖もしてないし、現場の結果から発作だろうって。でも、姉は別に持病なんて持ってなかったし、そんなの絶対ありえない。それに…」
私はポーチの中からUSBを見せた。
愛叶「姉が亡くなって荷物を整理しようとした時、私のその日持っていたバックの中に入ってたの。」
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クロ - 気になる終わり方をしているので凄く気になるんですよねー (2019年10月27日 8時) (レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 1つの小説どれか完結まで書いて欲しいですね!どれも中途半端だと思います! (2019年10月26日 6時) (レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:繭 | 作成日時:2019年10月13日 3時