第4話 ページ5
愛叶｢え？｣
広斗｢おっさん、いい歳して飢えてんのかよ｣
｢なんだよ、お前！｣
広斗｢こいつの連れ。あと、あんたの財布そこにあるやつじゃねーの？｣
彼はおじさんの腕を離し、後ろにころがっている茶色い革財布を指さした。
広斗｢違うんだったら俺届けるけど？｣
おじさんはおぉこれこれ！と言いながらそそくさとどこかに消えてしまった。
愛叶｢あ、ありがとうございます｣
広斗｢お前、この前から気になってたけど馬鹿なんだろ？｣
愛叶｢は？｣
広斗｢なんで女が1人でのこのここんな遅くに買い物なんかしてんだよ。｣
愛叶｢いや、助けていただいてなんですけど、あなたには関係ありませんよね？｣
広斗｢あ？｣
愛叶｢ご迷惑をお掛けしました。失礼します。｣
別に私だって1人になりたくて1人になったわけじゃない。お姉ちゃんのことを思い出して、少し感情的になってるんだ。
私は涙が溜まりかけた目を抑えてその場を後にしようとした。
広斗｢おい｣
愛叶｢…まだ何か？｣
広斗｢お前ひとりぼっちなの？｣
その言葉に私の足はピタリと歩みを止めてしまった。
広斗｢…どんな事情があるのかは知らねぇけど、あんな夜に女ひとりであんな場所に行くってことはよっぽどの理由があんだろ。｣
愛叶｢理由があったとして、あなたに関係ありませんよね？｣
広斗｢…まぁな。でも放っておけねぇんだよ。｣
愛叶｢…え？｣
広斗｢お前が何探ってんのかは知らねぇけど力になってやるよ｣
愛叶｢あの…？｣
広斗｢ほらよ｣
彼はどこから出したのかヘルメットを投げ捨て、後ろに乗るようにうながした。
愛叶｢え？｣
広斗｢お前一人なんだろ？行くとこあんのかよ｣
愛叶｢行くとこって…｣
広斗｢うち来いよ。大丈夫だから｣
何が大丈夫なのかさっぱり分からないが、何故か酷く安心しきってしまった。
私は彼の後ろに跨り、その背中を強く抱き締めた。
久しぶりに人の温もりに触れた。
涙が止まらなかった。
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クロ - 気になる終わり方をしているので凄く気になるんですよねー (2019年10月27日 8時) (
レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
クロ - １つの小説どれか完結まで書いて欲しいですね！どれも中途半端だと思います！ (2019年10月26日 6時) (レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：繭 | 作成日時：2019年10月13日 3時
