第20話 ページ21
ララside
愛叶と引き剥がされ、別な部屋に押し込まれた私は小さくなっていた。
ララ｢愛叶…｣
初めてできた、同年代の友達。
愛叶は私より少し下か同い年くらい。初めて見た時はただただどこかを見て涙を流しそうな瞳で、雨宮広斗の後ろをついて歩く女の子というイメージであったけれど、彼女は芯を持っていて強い女性だとわかった。
ララ｢寒っ｣
今日はよく冷える。
あの状態では愛叶が無事じゃ済まない。
ララ｢誰か！！誰かここから出して！！｣
扉をドンドンと叩いても誰も反応しない。
｢買い手がつかない上玉｣
男が言っていた一言で、愛叶には買い手が着いてしまったことに気づいた私は酷く動揺した。
ララ｢愛叶…。誰か！！｣
外が騒がしくなってきたと思えば急に静まりかえる。
ララ｢お兄ちゃん…私どうすればいいかな…｣
諦めて、壁に体を預けて座る。
いくら無名街で過ごしてきたとはいえ、暖を取る場所はあった。こんなに寒い中ここまで長時間外にいたことは無い。今ここで私が死んだら愛叶が危ない。
愛叶｢きっと誰かが助けに来てくれる。｣
愛叶の言葉を思い出し私は自分に大丈夫と言い聞かせていた。
どれくらいたっただろう。
遠くからうぉおおおお！！
という雄叫びのような音が聞こえて来た。
ララ｢…誰か……｣
ガチャガチャ
??｢おい、開かねーぞ｣
ドンッ
外側の扉が壊されたような音がした。
ララ｢…なに？｣
ここで私がまた連れ出されたら、愛叶はあのまま…
扉が空いたのと同時に私は目をつぶった。
誰かが部屋に入ってきて、声をかけてくれる。
広斗｢もう大丈夫。｣
目を開けばそこには雨宮広斗と雨宮雅貴。
差し伸べられた手を握り返す。
酷く安心したとともに、彼らは周りをキョロキョロとし始めた。
ララ｢助けて…｣
雅貴｢え？｣
ララ｢愛叶が…愛叶が危ないの！！｣
そういえば2人は案内しろと、血相を変えて私に続いたのだった。
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クロ - 気になる終わり方をしているので凄く気になるんですよねー (2019年10月27日 8時) (
レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
クロ - １つの小説どれか完結まで書いて欲しいですね！どれも中途半端だと思います！ (2019年10月26日 6時) (レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：繭 | 作成日時：2019年10月13日 3時
