Forget me not 【勿忘草】 (ページ3)

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・Ep2　ページ3

細い路地の奥隅で座り込む、

これからのことを考える。

手持ち財産は……、財布に入っている１万円２枚のみ。

これじゃ、ホテルなんかいけない。

最低限の食費で頑張って１カ月持つかどうかってとこ。

？「ねー、そこのお姉ちゃん♪」

？「家出かなー？」

？「俺らと、気持ちいことして遊ばない？」

自分自身のこれからに途方に暮れていた時、

路地の奥隅に隠れていたというのに、

酔っぱらいの男につかまる。

しかも……、人数は３人。

正直、声が出れば、すぐにでも叫んで、

助けを呼ぶ。

でも、今の私には、声がない。

この３人から逃げれるような体力も…、ない。

？「何も言わないのー？」

？「シカトはよくないんじゃなーい？」

？「なんかしゃべれよ！」

？「も、いいじゃん。
何も言わねーんだから、やっちゃえば。」

？「そうだな！」

？「よく見たら、美人じゃん！
ラッキー♪」

？「イイ女、抱けるわー。」

どうしよ。

逃げる？

でも、逃げたってすぐにつかまっちゃう。

声も出せない。

１人の男から、

汚い手が伸びてくる。

どうしよう。

このまま、体、この人たちで汚れるなんて嫌だ！

どうすることもできなくて、

目を固くつぶり、

下を向いて、

できる限り小さく蹲る。

ドン！

カラン！

ドン！

蹲っていると、

近くで何やら騒がしい音。

男の手が伸びてこない。

どういうこと？

そう思い、顔を上げると、

？「うわ、こいつ！」

？「あれだ！
ここら辺、牛耳ってる【暴虎】の……う！」

？「に、にげっぞー！」

３人の男たちが逃げていく。

そんな中、

さっきまで３人の男がいたところに立ち尽くす１人の影。

その影は私の方に歩み寄ってきて、

しゃがみ込み、

私と目をわざわざ合わせて、一言。

？「大丈夫？」