ゆびさし空 3rd zone

☆ ページ7

壱「よっ！」






丘の前の階段。

すでに到着して座っていた壱馬が私に気づいて、

こっちにゆっくり歩いてくる。








早いな、壱馬。もう来ちょったっちゃ。

…ん、私が遅れたんかな？


そうやったら、申し訳ないわ…。







壱「浴衣やわ！ヤベェー‼
てげ可愛いっちゃけど！」


『…ゆ、浴衣がね。』


壱「うん、浴衣が！ぐはっ‼
……って嘘に決まっちゃるがね！
殴らんでいいがね！」


『…。』


壱「怒らんで、A。
浴衣も可愛いけん、お前が1番やがって。
可愛いよ、A！」


『さ、最初っからそう言ってよ…。』


壱「はい……。
すみませんでした…。」


『ば壱馬。』








ほんと、バカ。



機嫌を損ねた私と壱馬。









屋台が並ぶ神社の方にゆっくり歩いていく。




やっぱり、田舎は田舎でも、

花火大会やから、カップルやら家族連れが多い。






私たちのこと、みんなからどんな風に見えているんかな？

……カップルに見えてんのかな。

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