ゆびさし空 3rd zone

☆ ページ48

ごつごつとこわばった、

でも細くて綺麗な北ちゃんの手が私の目もとに触れ、

涙をぬぐう。




そして、目が合って瞼を閉じた。

唇にあたる北ちゃんの唇。


触れるだけのキスの後、

おでこをくっつけあい、溢れる幸せを胸に刻むように笑いあった。







北「Aは、俺のお姫様やかい。」


『ハハハ！
北ちゃん、くさいわ！』


北「もー！
素直にありがとうって笑ってよ！」


『んん！』







深いキスが飛んでくる。



無意識に離れようとする私の背中を、

離さないとばかりに強引に引き寄せる北ちゃん。







頭がボーっとしてくる。









北「やばい、今、めっちゃ幸せー。」


『そうやね。』


北「死んでも後悔せんわ。」


『だめ！
北ちゃんが死んだら、私も死ぬわ！』



北「それはいかんわ(笑)」








手をつなぐ。









北「ねぇ、A。」


『んー？』


北「もっと、幸せにしちゃるが、これから。」


『じゃー、
私も北ちゃんのこと、幸せにしちゃる！』


北「うん！」









何度もキスをした。

逢えなかった時間を埋めるように。

お互いの存在の愛おしさおを確かめるように。








重なった【好き】って感情は奇跡で、

私に大きな幸せを呼んできたものだった。









お母さん。









元気にしちょる？

私は、今、すごく元気やよ。



北ちゃんに会えて、愛してもらえて。

幸せやと、すごく。



ちゃんとたくさんの人に大切にされてるよ、私。

これからも天国で見ちょって？


お母さんが羨ましく思うほど、幸せになるかい！

―最後―→←☆

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