ゆびさし空 3rd zone

☆ ページ41

壱馬のの人柄の良さは

このクラスの男子の中でも１番だと思う。




その人柄の良さから、

一度はこの人を好きになろうって思ったんだろうし。






そんな壱馬にだからこそ、

花火大会の日のことが罪悪感でしかなくなる。





花火って言う大きな音のするものにパニックになって、

逃げて、

北ちゃんとそのあと一緒に過ごした。




そんなこと、優しい壱馬には口が裂けても言えない。


言ったら、その日は、私の人生の終わりがくるわ。









壱「なんか吹っ切れた顔してんな？」


『そう？』


壱「たぶん！
まー、Aが笑えとるんやったら、俺はそれでよかけんね。」









自分から吹っ切れた顔してるって言っておっきながら、

たぶんって、


どういうこった。








相変わらず、ニコニコって音が出そうなほど笑ってる壱馬。




罪悪感を私に持ってほしくなくって、

わざと気丈に振舞ってくれてる気がしてならない。







ほんと優しさの塊だ。









壱「あのさ、A！」








いつ振りかの壱馬の上擦った声。









『なん？』









首をかしげて聞く。









壱「俺んこと、気にせんでいいかいね。」


『ん…、どゆこと？』









ん、罪悪感のことかな？









壱「告白んこと、なかったことにして。」


『………え。』









予想しなかった言葉にびっくりした。

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