ゆびさし空 3rd zone

☆ ページ25

『ただいま……。』


光「Aちゃん！今何時やと思っちょると？」






玄関のドアを開けると、

そこには、待ってましたと言わんばかりに光莉さんが

すごい形相で怒鳴ってきた。





いきなりで、すごくびっくりした。







光「今何時か分かっちょるかって聞いちょっとよ！
高校生の女の子がこげ何時間まで外におっていいと思っちょっと？！」


『……っ…。』



光「電話にもでらんかったがね！
どんだけ心配したか分らんやろ！？」








それは、悪かったと思ってる。

でも、そんなに頭ごなしに怒鳴りつけんでもいいじゃん。


せっかく幸せな気分で帰ってきたのに、これじゃー、台無し。







光「聞いとる？！」


『……っ……。』






どんどん自分の中で、怒りが込み上げてくる。

いらいらする。






光「携帯でして！
今まで、一緒におった子に電話しちゃる！
若いのに夜遊びとかふざけとる！」





もう耐えらんない。




『う、うるさいうるさい！
うざいわ！そういうの！
やめてよ、ほんと！』





思わず、声を荒げる。

……いいじゃん、ちょっと遅くなったくらい。







私も、やっと前向いて歩けるようになったんよ。

生きていたいって、笑顔でいたいって。


やから、邪魔せんでほしい。






伯「やめない、２人とも。
近所迷惑やが。
光莉も、体に障るから。」





奥から出てきた伯父さんの言葉に黙る。


光莉さんは私のこと、理解しようとは思わんちゃね？






怒りに任せて、履いていた下駄と雑に脱いだ。





そのまま会談を駆け上がろうとしたとき、




光「うっ……。」



と、聞こえてきた苦しそうな光莉さんのうめき声に立ち止まった。

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