☆ ページ3
美海ちゃんと北ちゃんを見送って、
私も帰ろうかなーとカバンを持ったとき…
壱「Aー!」
と、飛び跳ねるように私の隣にきた壱馬。
急な行動にドキッとしてしまう。
びくりした…。
壱「送ってくが!」
『…ん。』
壱「お?
なんか今日は素直やね?」
『うるさい、ば壱馬。』
…素直なんかじゃない。
ただ、ほかの人を…。
北ちゃん以外の人を見てこなかったから。
壱馬を好きになる努力をしてみようと思っただけ。
人生を諦めた、生きる気力のない私を知ってて、
それでも好きやって言ってくれたから。
壱馬がまっすぐな笑顔を見せてくれたから。
壱馬なら…北ちゃんへの感情が移りえると思ったから。
私も自分のペースで頑張ってみようって思った。
壱「Aちゃん!」
『は、きもっ!』
壱「はは!
きもくていいよ。
Aが心開いてくれるんやったら、なんだっていいかい。」
『か、勘違いせんで!
心なんか開くか!
大体、私、壱馬のことまだ好きやないし!
……あ。』
やばっ!
言わんくていいこと言ったじゃん!
壱馬を傷つけた……?
壱「大丈夫。分かっとるよ。」
『へ?』
明るく話し、微塵にも傷ついた素振りを見せない壱馬に
気が抜けたような声を出してしまう。
壱「傷つけた?とか思ったんやろうけど……。
俺は、まだお前が北人のこと好きやって知ってて好きになったつもり。
やから、傷つきもせんし、落ち込みもせん。
……てか、逆に燃えるかな!」
そう言って、満面の笑みで笑う壱馬。
悲劇のヒロインぶってお母さんの死を忘れられない私がバカみたい。
そのくらい元気にさせてくれる。
壱「やから、北人のこと忘れたいって思ったら、
心配せんで俺んとこきたらいいよ。
……俺が忘れさせちゃるかい。」
この人のことを好きになったら、
私は間違いなく幸せになるんやろうなって予感しかせんのは……
笑っているのに壱馬の目が真剣だから。
この人を好きになりたい。
でも、【好きになりたい】っていうのはつまり、まだ北ちゃんが好きってこと。
こんなに良い人に好きになってもらった私は相当幸せだろう。
白い歯を見せながら、
私の髪の毛をクシャクシャと撫でる壱馬。
…ああ、切なすぎ。
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まいぽん(プロフ) - めっちゃ感動して号泣です!めっちゃ面白かったです! (2020年3月12日 1時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
ほくとすきぴ - 逆に続きがきになります。爆笑今日1日で全部読みました笑いちから!笑 (2019年8月15日 22時) (レス) id: cb30df2db6 (このIDを非表示/違反報告)
ほくとすきぴ - 星川ですよよ笑笑 (2019年8月15日 14時) (レス) id: cb30df2db6 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - ゆめゆめ。さん» ありがとうございます!!!!!!!楽しみにしてますね! (2019年8月7日 9時) (レス) id: 7a1492e132 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆめ。(プロフ) - にんじんさん» お話作ってみました!1話しか更新していませんが、健太mainなので是非見てみてください! (2019年8月7日 9時) (レス) id: 17630666f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめゆめ。 | 作成日時:2019年4月9日 19時