☆ ページ13
『北ちゃ……ん。』
座り込む私を引っ張り上げて立たせると、
北ちゃんはそのまま私の手を引いて、
……走り出した。
力強い手と、君の幼き頃からは想像できないほどの頼もしい背中に
ウルっと涙が出た。
パニックになっていた私を助けてくれた。
胸が苦しくって、生きているのに生きた心地がしなかった。
―ーーーーーーー
北「……はぁ、はぁ…久しぶりに走ったーー!」
壱馬と待ち合わせした丘の前の階段まで走ってきた私たち。
膝に手を置いて肩で息をしながらも、
私の手を取ったまま離さずにいてくれている北ちゃん。
『だ、大丈夫…?』
北「は、ふざけちょっと?
それはこっちのセリフやっちゃけど!
Aは大丈夫やと?」
息が荒いまま、私を一生懸命に見つめ心配してくれている。
『大丈夫。』
北「なら良かった。」
北ちゃんがここまで連れてきてくれたもん。
ちょっと疲れたけど、もう大丈夫。
乱れた浴衣を整えてから、
北ちゃんに引かれながら丘へと続く階段を上った。
遠くに小さく花火が見える。
さっきまで嫌だった音も
今では鼓膜をちょこっと掠めるささやかな音となっていた。
丘にあるベンチに座って夏の空気を肺に入れたら、
ほんの少し、落ち着いた。
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まいぽん(プロフ) - めっちゃ感動して号泣です!めっちゃ面白かったです! (2020年3月12日 1時) (レス) id: 0b1b1da15f (このIDを非表示/違反報告)
ほくとすきぴ - 逆に続きがきになります。爆笑今日1日で全部読みました笑いちから!笑 (2019年8月15日 22時) (レス) id: cb30df2db6 (このIDを非表示/違反報告)
ほくとすきぴ - 星川ですよよ笑笑 (2019年8月15日 14時) (レス) id: cb30df2db6 (このIDを非表示/違反報告)
にんじん(プロフ) - ゆめゆめ。さん» ありがとうございます!!!!!!!楽しみにしてますね! (2019年8月7日 9時) (レス) id: 7a1492e132 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆめ。(プロフ) - にんじんさん» お話作ってみました!1話しか更新していませんが、健太mainなので是非見てみてください! (2019年8月7日 9時) (レス) id: 17630666f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめゆめ。 | 作成日時:2019年4月9日 19時