☆ ページ7
笑うと、子犬みたいに可愛くて女の子みたいで…
女の私でも憧れる。
はっきり、いつ、北ちゃんを好きになったかなんて、正直覚えてない。
気づいた時には、大好きで夢中だった。ずっとそばにおったから。
私が生まれる前に父親が亡くなって、母親しかおらず、そのことについてずっと孤独を感じていた私は、よく北ちゃんに泣きついていた。
運動会や家族参観日のとき。
みんなには、両親がそばにいて笑ってるのに私は違う。
でも…
「Aには、俺がおるかいね?だかい、大丈夫やろ?」
「俺がずっと、そばにおるかいね!」
北ちゃんの言葉に支えられた。
今思えば、北ちゃんがいたから…笑えた部分が多かった。
そして、病気のことでみんなと同じように過ごせない北ちゃんもよく落ち込むことがあったけど…その時は、反対に私が北ちゃんをで励ました。
『ひなたぼっこせん?』
『今度は…星の数、数えようよ!』
運動ができないなら、ほかにできることをたくさんしよう。
そう提案しては、よく二人で出かけた。
同い年の子たちは、あの一件があって以来、北ちゃんとは距離をおくようになったから、なおさら私が。
お互い、間違いなく一番近い存在だった。
わたしには、
北ちゃんしかいなかった。
北ちゃんがお月様になるのなら…
『私は…太陽になりたい』
「なんで?」
‘君が暗いとき、明るく照らしたいから,
なんて…
「教えてよ〜。なんでなん?」
って、聞いてくる北ちゃんには、
あの時、教えなかった。
これからも言わないし、言えないだろうけど。
257人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆめゆめ。 | 作成日時:2018年10月14日 10時