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北ちゃんの存在だけが生きる希望だった。







でも、ダメだよね。

恋なんてしちゃ。

神様も言ってるはずだよ。ダメだよって。









私は恋する資格なんてない。









人を殺めてしまった過去があるから。

この過去は一生消えないから。









北「隣、座らんの?」









ぼーっとしていた私に言ってくれた優しい言葉。









『う、うん…、ありがと。』


北「うん」









遠慮がちにベンチに座ってみる。






こうしてみると、8年前のあの日も思い出す。









私が引っ越しをする前日。

北ちゃんの手術の前日。







北ちゃんが病院を脱走して…

私の家に来て、散歩に誘ってくれて。







「お月様になりたい」







なんて北ちゃんがほざいた日。









ベンチに座ったら分かる北ちゃんの成長。









幼い頃は、ベンチに座って足を伸ばせば。

私の方が足が長かった。









それが、今じゃ。








北ちゃんの方が長いんだ。









それだけの事なのに、

時の流れを感じる。









北「こん前は、その…、冷たい態度とってごめん」


『…え?、あ、うん。大丈夫だよ』


北「ずっと、謝りたくてタイミング探してたんやけど…
結局、今や。
ほんと、ごめん」









隣で、中央に眉を寄せて謝る北ちゃんにドキマギした。

…気にしてくれっとったんや。









『手術、成功したんやね』


北「うん、まぁね。」









生きてないんじゃないかて思ってしまった時もあったから、

こうやって、





話せているのが。






会えることが。








素直に嬉しい。









北「もう、Aには会えんと思っとった」


『・・・』


北「だから…









こうやって、会えとることが、すっごい嬉しい」

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設定タグ:therampage , 吉野北人 , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ゆめゆめ。 | 作成日時:2018年10月14日 10時

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