☆ ページ43
結局、しぶしぶ壱馬と2人で教室をあとにした。
もう1回言っとく。再確認ね?
しぶしぶやから。ほんとに。
校舎を出たところで、伯父さんと光莉さんの姿を見つけて駆け寄った。
伯「なん、もう彼氏できたんか?」
『そんなんじゃないし!』
ニヤニヤする伯父さんと、それを見て笑う、光莉さんにため息しか出んわ。
もう、なんでんいいや。
壱「そんじゃ、また、あとでな!」
壱馬が柄にもなく2人に頭を下げて帰っていった。
うわー、伯父さんと私の会話聞いてたんやから、否定して帰れよ。
伯「なん、付き合った初日からデートか?」
こん人、まだ言いよっし。
シカトや。シカト。
伯「冷てーな、お前。
イケメンくんに振られっどー?」
『うるさいて、ガチで。』
伯父さんが喉を鳴らすように「くくくっ」って笑ってるのを見て、呆れた。
…ほんとは、行きたくない。
北ちゃんのあの言葉は嬉しかった。
でも、行ったら…。
北ちゃんと美海ちゃんの仲睦まじい姿を見なきゃいけなくなってしまうんだ。
2人の身長差。
カッコいい北ちゃんと可愛い美海ちゃんの容姿。
誰が見たって、あの2人は。。。
理想のカップルや。
傷つきに行くようなもんや。
自爆やね…。
何が楽しくて好きな人とその彼女がイチャイチャするのを見に行かんといかんのよ。
って、今言ってもね、遅いだけ。
伯父さんが家に向けて車を走らせる。
いろいろ考えて、深いため息をついた。
なんか、つらい。
喜怒哀楽なくたって、
好きって感情はピンクに綺麗に…。
私の胸の中で染まっていた。
幼い時と変わらず。
257人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆめゆめ。 | 作成日時:2018年10月14日 10時