☆ ページ31
背筋の凍るような感覚。
思い出したくないことがフラッシュバックした。
元父「なー、このチェーンはよとってや」
チェーンがついたまま空いているドアを見てそんなことをほざく人
冗談じゃない
そう心の中で言っているのに口から出た言葉は…
『……か、帰ってください』
弱虫。
あの時の私にはこれがぴったりだった。
元父「いいやん。はよ、開けて
親子やろ?」
『違う。親子じゃない!
ううん。そんげなことはよか!
さっさ、帰ってよ!』
目をつぶって勢いよく怒鳴ったとたん、ドアチェーンの限界までのドアを開けられ、
その瞬間、
相手の血相が変わったのが見えた。
…足が震えた。
元父「は?ふざけんなよ!
4年間食わせてやった恩をあだで返すんか?」
力任せにドアを揺さぶるその人に恐怖を感じた。
震える私に
お母さんが手を繋いでくれた。
次の瞬間。
古くさびれたチェーンがあの人の力に耐えきれなくなり
…壊れてしまった。
あの人がつかつかと家の中に入ってきた。
元父「おまえら、わかっちょるよな?」
そう言って笑うその人。
諦めた私とお母さんは暴力を受けた。
その日のことは一生忘れない。
まるで、生き地獄のようだった。
次の日
ひどい顔のまま学校に行き、教室に入ったら、クラスのみんなが私を見て絶句していた。
当たり前だ。
ちょっとやそっとじゃできないあざが露出している肌に満遍なくあるんだから。
警察にも相談に行ったが…
「様子を見ましょう」
その一点張り。
私とお母さんを助けてくれる英雄はいなかった。
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作者名:ゆめゆめ。 | 作成日時:2018年10月14日 10時