☆ ページ12
心臓の悪い幼なじみの手術が行われる日。
親の再婚が理由で、引っ越すという事実を伝えれないままこの町に来て8年。
ずっとずっと、気になっていた。
“北ちゃんの手術は上手くいったのか?”
“考えたくないけど…そもそも、術中死などで死んじゃったりしてないのか?”
会いたくて、会いたくて仕方なかった。
でも、あの時の幼い私には、北ちゃんに会いにいく手段なんてなくて。
それでも、辛い日々の中にはいつも、北ちゃんと過ごした思い出が必ずあった。
支えだった。
北ちゃんの存在があったから、耐えて生きていられた。
でも…耐える生活も今日で終わり。
今日、私は、中学校を卒業して
また、この町を出ていく。
バスに乗り込んで、
向かう先は…
そう、私と北ちゃんが一緒に生きた田舎町。
まだ、いるよね?
引っ越しとかしてないよね?
…北ちゃん、早く会いたいよ。
会って話がしたい。また、昔みたいに。
無邪気に笑いあっていたあの時間に、
できることなら戻りたいと思う。
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作者名:ゆめゆめ。 | 作成日時:2018年10月14日 10時