中也さんが逆トリしてきた(白目)

小鳥が夢を見る頃は ページ43

あの日から数ヶ月、人数の少ない私達の部活は、フルート2人、Bクラ2人、バスクラ1人、A.サックス2人、T.バリトンサックスそれぞれ1人、トロンボーン2人、ホルン2人、ユーフォ1人、チューバ1人、トランペット3人、パーカッション3人という21人でB2の吹奏楽大会の予選に参加。

昨年まで毎回銅賞だった私達は、見事金賞を得ることが出来た。残念ながら代表金ではなかったが、来年はきっと、吹奏楽の事を知らない初心者が『金賞』という言葉に反応して体験くらいには来てくれるだろう。

(約束、これで果たせたことになるのかな……)

あの日、中也が遺した手紙には、何も言わず帰ったことに対しての謝罪とその他彼らしい言葉が綴られていて、吹奏楽で金を取ってほしいという事と、家族と言ってくれて嬉しかったと。楽しかったと書いてあった。

それから3日間寝込み、中也との約束を守るために部活に喝を入れて皆で死ぬ気で頑張った。

急に厳しくなった活動に愚痴を言い辞めていく人も多かったが、それでも20人残ってくれて、その結果を残すことができた。

それから引退するまでも部長として皆を引っ張ってきたつもりだ。

その反動からかは知らないが、欲にいう燃え尽き症候群で、大学は全て落ちた(笑)

アレから3年が経って、あの半年は夢だったのではと考えてしまうことがある、しかし、あの日彼が残したチョーカーと手紙は常に肌身離さず持ち歩いている。この2つだけが、彼が居た証拠なんだと。だから、忘れてはならないと。

荷物は全て、今両手に持っているスーツケースの中。背中に背負ったリュックの中身にも忘れ物はなし。

中也と……優也兄さんと会えなくなって早3年。

私は母親と人生最大の大喧嘩をし、

齢20。






家出をしました(笑)

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