妖怪と文豪と - 2 ページ7
「このケェキ美味しい!」
「だろ?此処は最新のものが集まるこの通りで一番の人気店なンだ。美味くねェ訳がねェ」
***
相手も、私たち…ではなく中也を見て驚いていた。
「おまっ…いや、違うよな……取り敢えず、そこにいられても邪魔なだけだ。一寸こっち来い」
そうして、道の端に連れてこられた。端というか、此処は路地裏と言った方が正しいだろう。
バケツや木箱なんかが積み上げられている。そういえば、隣は大浴場のような場所だったような。
「おめぇら、名前は?」
「僕は江戸川乱歩。包帯が太宰治で帽子が中原中也。白い服のがフョードル•ドストエフスキー」
乱歩さんが全員の紹介をしてくれた。
猫耳の彼は何かブツブツと呟きながら考えていたが、言葉か人間のものではなかったので全く分からなかった。
そして、何かに納得したようで、改めて此方を向いて自己紹介をした。
「俺の名前を中原中也だ。見ての通り猫又で、そっちのニンゲンの中原と同じだ」
「此処じゃあ色々話しにくいだろうから、場所を移動する。安心しろ。俺はおめぇらが元の世界に帰るのを手伝うつもりだ」
そう言って、また何処かへ歩いて行った。取り敢えず、私たちもそれに続く。
「そうだ」
ふと思い出したように振り返って「甘い物は好きか?」と聞いた。
着いた場所は、この辺りでは珍しい洋風な建物で、硝子を多く使い、店の外にも席があった。
聞くと、ここは”キャフェー”というらしかった。
そこで”ケェキ”や”ソォダ”なんかを頼み、冒頭に至る。
ここまでで、私は彼は中也とそっくりだが、違う。しかし同じだ、と何故か確信していた。中也の事は嫌いだが、中原さんはそこまで嫌いではないようだった。
***
頼んだものは大方食べ終わった頃、中原さんが話し始めた。
ここまで、1時間程しか経っていなかったが、私たちは彼に気を許していた。
「さて、俺はおめぇらを返す手伝うはするっつったが、生憎俺はそっちは専門外でな。そこで、ここ魔都大江戸に住んでるっつーニンゲンを紹介する。そいつはこの辺では有名なガキで瓦版を作ってるらしい。その辺の低級に聞きゃあすぐに見つかるだろうよ」
「待って。そもそも魔都って?ここはどういう場所なの?その辺の説明も欲しいな」
「嗚呼。その辺もちゃんと説明する。おめぇら、"妖怪”って知ってるか?」
「鬼とか化け狐とかのことだろ?」
「そうそう。えっと…ふょーどる?だったか?お前は他の奴等とは違うようだが?」
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りん(プロフ) - 嘘つきちょこれーとさん» ゆっくりでいいですよ(^^)d (2019年5月7日 0時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
嘘つきちょこれーと(プロフ) - りんさん» いつもリクエストありがとうございます![夢主が両親に暴力されてた]の社長、森さん国木田君それぞれ別々ですね!了解しました!……いつもの様にかなり遅くなります。きっと。そしたらごめんなさい! (2019年5月7日 0時) (レス) id: f62d03b2f8 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - リクエストしてもいいですか[主人公が両親に暴力されていた]で社長と森さんと国木田さん別にに書いてくださいお願いします (2019年5月6日 23時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
嘘つきちょこれーと(プロフ) - 中也さん» リクエストありがとうございます!ポッキーゲーム、了解です!! (2019年4月17日 17時) (レス) id: f62d03b2f8 (このIDを非表示/違反報告)
中也(プロフ) - 主人公と中也様がポッキーゲームしないと出られない部屋作ってください! (2019年4月15日 21時) (レス) id: 141cfc6e9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:嘘つきちょこれーと | 作成日時:2019年3月21日 23時