文スト短編集！

妖怪と文豪と - 4 ページ11

｢お？中也じゃねぇか｣

｢桜丸！久しぶりだなァ元気してたか？｣

｢勿論だ。そっちは仕事でか？｣

｢まァな…そうだ。お前、確かかわら版屋のニンゲンと関わりあったよな？｣

｢そこのニンゲンがこっちに落ちてきたんか｣

｢そういうことだ。頼めるか？｣

｢おうよ。親友の頼みなら受けてやるサ｣

桜丸、と呼ばれた人型の赤髪で桜の模様の入った着物を着た男はニンゲン達に｢桜丸だ。宜しくな｣と云った。

｢……中也、お前またなんかイラついてたりしたか？｣

｢何でだ？｣

｢こいつら、お前さんの妖気に当てられてンぞ｣

｢……悪かったな、お前ら｣

そう言って猫又の中原が指をパチンと鳴らせば、ニンゲン達は身体が動くようになった。

｢すげぇ妖気！桜丸の親友？中也さんって言うのか？凄いな！｣

何時から居たのか、桜丸より少し年下くらいの見た目の少年が目をキラキラさせていた。
｢桜丸、こいつは？｣
｢雀だ。こいつが噂のかわら版屋よ｣
｢へぇ。その年で働いてンのか｣

｢中也さん、今日のこのこと、明日のかわら版に載せていいか？なぁいいだろ！｣

｢俺は名前を伏せてくれれば別にいいが、おめぇらはどうだ？｣

急に話を振られて少し固まっていた。1番に答えたのはフョードルだった。

｢私は別にいいですよ｣
｢僕もいいよ〜｣

続いて乱歩も返事をする。

双黒は、皆がいいなら、と云った。

｢ンじゃ行くか？｣

｢そうだな｣

｢俺は雀！あんたらの名前は？｣

｢ほら雀、質問攻めにするのは後にしろ。行くぞ｣

｢はぁい！｣

キャフェーを出ると、猫又の中原は猫になってニンゲンの中原の肩に乗った。
彼曰く、同じ奴が同じ場所に2人も居たら周りが混乱するだろ、だそうだ。

そうして、道中はニンゲン(主にフョードル)が質問攻めにされながら、雀の職場へと向かった。



*****

今回会話多めでしたね。
ここまでくればわかる人もいると思いますが、香月日輪様の『大江戸妖怪かわら版』とのクロスオーバー作品となっています。
桜丸とか雀とか他のキャラ達の口調が違ってたりするかもしれませんが、もしそういうご指摘があったらコメントくれると嬉しいです。

あと、これはりんさんに。
前回のリクエストのやつ、エイプリルフールネタ(遅い)と新年号ネタ(?)も混ぜたので可笑しなところがあったらというか、訂正した方がよかったらコメント下さい。

夢主が両親に暴力を振られている所を目撃した(りんさんリクエスト)→←if.夢主、刺される(りんさんリクエスト)(探偵社ver.)

ラッキーカラー

あずきいろ

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