頼み : 3 ページ16
.
次の日の朝、
酷な話は突然、何の前触れもなくやってくる。
『チェ・ビョンチャンはコンセプト評価後、順位に関わらず降板することになった。』
マネの総括長がそう言った。
私の頭の中は真っ白になった。
「どうして、」
『心は痛むだろうが、前々から決まっていた。』
総括長は申し訳なさそうに私に言った。
「……だから私をウンジギョのマネから外したんですか？」
『悪い。』
「キムさんは知ってたんですか？」
『……そうだ』
「…………」
『キムくんに先に伝えたんだが、Aくんに伝わればきっと酷く傷つく。だから彼女をマネから外してくれと頼まれてな』
キムさんは一人でこの事を隠し、ビョンチャンくんは何事もなかったかのように振る舞っていたのか……？
『だけど、やっぱり君には伝えないといけないと思ったんだ。君が傷つくのはわかっていたが、……こんなコンセプト評価の直前で申し訳ない』
総括長が教えてくれなければ、私はこの事実を知らないまま、ビョンチャンくんと別れなければならななかった。
「いえ、知れて良かったです……ありがとうございます」
私は総括長に頭を下げた。
『ビョンチャン君の意向で、誰にも話さないと決めているらしい。コンセプト評価が終わったらまずはスンウ君に話して、それから公式で発表する……』
もう話は私の知らないうちにどんどん進んでいた。
私はウンジギョの練習室へ向かった。
昨日の彼のあの笑顔は、
"これからも、
うちのスンウひょんをよろしくお願いしますね"
"スンウひょんは寂しがり屋だから、
ヌナにはひょんの理解者であってほしいんです"
もう覚悟をしていた表情だったんだ。
でも、
私はその場に踏み留まった。
今、ここでビョンチャン君に会ってどうするんだろう。
泣く……？
慰める……？
私がそんなことをしたって、
彼が我慢して隠してきたことを
暴露しちゃうみたいな話になってしまう。
「……ダメじゃん。」
私が会いに行くことで、
ビョンチャンくんの未来が変わるわけでもない。
それは、ただ私の自己満足ではないか。
無力だな…
空を仰ぐと、たくさんの雨粒が私の顔に当たる。
今日は雨なのか、と、そのまま打たれていると、
突如、透明のビニール傘が雨を遮った。
BC「風邪引きますよ」
振り返ると、彼がいたんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 671人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かんめい(プロフ) - Pさん更新お疲れ様です!Pさんの書くお話大好きで読ませてもらってます!更新待ってます！頑張ってください！ (2019年11月10日 12時) (
レス) id: 969093f59d (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - 好さん» いつも読んでくださり、ありがとうございます。私自身も話がちょっとずれてることは感じております。なので、プデュらしい(?)話に戻すとは思います。しかし私の個人の好みに沿って話を作るのでご期待には答えれないかもしれません。申し訳ないです。 (2019年10月4日 16時) (レス) id: ce49c7014e (このIDを非表示/違反報告)
P(プロフ) - odenden105さん» マリモンは正義です！ (2019年9月21日 0時) (レス) id: ce49c7014e (このIDを非表示/違反報告)
odenden105(プロフ) - マリモン出してくるなんてずるいです！！！！好きです！！！！ (2019年9月20日 13時) (レス) id: 26eea8ab58 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：P | 作成日時：2019年9月12日 9時
