再びアイナナの世界にトリップしました。 (ページ17)

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アンコール！２ページ17

あれから数日後。

今日は私が帰ってしまう前から決まっていたライブの日。

ある意味、このタイミングで帰ってこれて良かったかもしれない。

紡のパワーアップした演出と共に、ライブは進む。

あっちの世界でたくさん踊っていたせいか、あまりブランクはないようだ。

だが、私は一つ心配していることがあった。

陸の体調だ。

かなり序盤の方から、息が乱れている。

そんな彼を心配しながらも、無事最後の曲を歌いきることが出来た。

七「・・・っ、IDOLiSH8でした！」

「今日は皆、ありがとう！！」

ファンの温かい歓声を聞きながら一旦舞台裏へと戻る。

七「・・・っ！」

「・・・！陸！」

舞台裏に入ると同時に、陸が前へと倒れる。

陸を支えると、先程より比べ物にならないほど息が乱れていた。

間違いない、発作を起こしている。

慌てて一織が吸入器を使おうとするが、陸は頑なに拒否をする。

ニ「アンコールは無理だ！リク！」

七「・・・っ、いけます・・・！いける・・・っ」

そう言って陸は私から離れて立ち上がろうとするが、力が抜けているのか立てる様子はない。

一「逢坂さん、四葉さん、聯さん！`MEZZO"で繋いでもらっていいですか。」

「・・・っ、わかった！三月、陸頼む！」

三「わかった！」

私は腕で支えていた陸を三月に託し、立ち上がると、急いでアンコールで着る予定だった、IDOLiSH8オリジナルのTシャツを全員分取りに行く。

今日はこけら落としの人たちが来ているはずだ。

ライブや衣装の詳細も伝えてある。予定通りにしないと、何かあったのかと聞きに来るはずだ。

少しでも、こけら落としから外れる可能性を無くしたい。

楽屋に入り、背中を見られてはまずい私は急いでTシャツに着替え、舞台裏に戻る。

「壮五！環！急いでこれ着て！」

「陸もなるべく楽な恰好になった方がいいと思う！ナギ、これ着せてあげて！」

六「OKです！」

五「無理しないで、陸くん。約束だよ。」

七「はっ・・・、ごめ、ごめんなさ・・・っ」

四「謝んねーでいいから！りっくん、俺たちが時間稼いでくるから！」

紡「聯！壮五さん！環さん！曲の準備は出来ました！」

「わかった！じゃあ行って来る！」

そう言って私たちは三人でアンコールに応えた。

その後陸の体調は回復せず、みんなで歌うことは出来なかったが、陸がどうしてもというので、私は陸を腕で支えながら、最後の挨拶を迎えることになった。