アメリカ物語76 ページ30
{赤司side}
貴方「見ない間にまた少し背が伸びたんじゃないか？やれやれ、男子の成長は計り知れないな。それに･･･懐かしいユニホームも着てるじゃないの。」
目を細めながら、懐かしさに浸っているかのような表情で白咲さんは俺のユニホームを見つめていた。自然と俺の髪を撫でる手は、一緒に部活をやっていた去年と何ら変わっておらず温かさを感じる。
この手を･･･振り解きたくない。
唯一、俺のことを分かってくれる先輩。
そんな先輩をもてた俺は幸せ者だろう･･･。
赤司「･･･会いたかったです。」
貴方「！」
赤司「会って･･･謝りたいと思ってました。俺は･･･白咲さんに言われたことを守れなかった。俺にとっての存在意義が･･･紫原との1on1で揺らいでしまったんです。」
貴方「･･･」
赤司「父さんに･･･小さい頃から赤司家の人間として誰よりも秀でていなければならないと教えられて育ち、それでも、母さんが残してくれたバスケを拠り所にしながら俺なりに努力してきました。帝光中に入学して、白咲さんのような良い先輩や良い仲間に恵まれた･･･」
ポツリポツリと、言葉が口から溢れ出る。
今まで積み重ねてきた･･･
"誰よりも秀でていなければならないこと"の危機。
俺の背中を掴み、追い越そうとする才能たち。
楽しかった日常が崩壊する音･･･。
それでも･･･
その状況下でも･･･
"主将として"
歯車が噛み合わなくなっていく『キセキの世代』を
まとめなければならないという
俺は･･･
.
.
.
赤司「･････････疲れたのかもしれません。」
貴方「！」
赤司「結局俺は･･･白咲さんみたいにみんなをまとめあげることができませんでした。そのせいで、奴に身体を乗っ取られてしまった。本当に･･･すみませんでした。」
貴方「赤司･･･」
上手く･･･笑えているだろうか。
そんなことを考えながら、今･･･自分が放った言葉を振り返ってみると、極度の疲労感に苛まれた。それ程にまで、俺は疲れ果てていたのだろう。
『赤司征十郎』という人生に。
.
貴方「･･････赤司。」
赤司「はい･･･」
貴方「一度･･････"全部投げちまおうか"。」
赤司「･･････えっ･･･？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 96人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
だお(プロフ) - 明待霧夜さん» 7年･･･！！数字にすると思ってたより長くて驚きました(泣)！長期間更新停止していたのにも関わらずに読んだくださってとても嬉しいです！またちょくちょく更新頑張りますね･･･！ (2022年11月9日 22時) (
レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
明待霧夜(プロフ) - だおさんお帰りなさい！ キセキ物語の終盤から連載を追い始め、かれこれ７年以上白咲ちゃんの物語を追っていることに気づきました…！ これからも応援させてください…！ (2022年11月8日 6時) (レス) @page23 id: 31d5edc1c2 (このIDを非表示/違反報告)
だお(プロフ) - あやかさん» コメントありがとうございます･･･！！戻ってきて初めてのコメントだったので感極まりました( ; ; )読んでくださってありがとうございます！ (2022年10月26日 17時) (レス) id: 8108c641b1 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - うぁぁぁ！！かっこよすぎますっ！！好き！！*°♡ (2022年10月26日 14時) (レス) @page21 id: 1bbfe76602 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：だお
| 作成日時：2022年9月28日 23時
