恐怖 ページ26
「はい、」
木兎「今どこ!?」
「え、どこって…」
月島くんは心配そうに私のことを見ていた。
木兎「学校にいないの?」
「あ、いや…」
なんて言えばいいのか分からず
戸惑っていると、
月島くんがスマホを奪い取った。
月島「月島です。Aがケーキをどうしても
食べたいって言うから外出してます。
もう少ししたら戻りますね。」
光太郎は、きっと月島くんのペースに呑まれて
何も言えなかったのだろう。
月島「行こう、」
私にスマホを手渡し、
また手を引いて歩き始めた。
「2人そろって嘘つきだね、」
月島「嘘なんてついてないですよ、別に。」
「帰り、ケーキ食べようね。」
月島「さすがです。」
京治の家についた瞬間、思わず止まってしまった。
月島「A…」
月島くんは、私の手を少し強く握った。
彼なりの励ましだろう。
「ありがと、」
そう言うと自然と手が離れ、
私の足はインターホンまで向かって歩いていた。
押してみたが、反応がない。
「居ないのかな…」
ドアに手をかけると、ドアが開いた。
月島「僕、先に行こうか」
「大丈夫、先に入る。」
ゆっくりと入ると、薄暗い廊下が見え、
不気味な鼻歌が聞こえる。
よく見ると廊下には、赤い液体が滴り落ちていた。
「え…」
月島「これ、血…?」
その血のような液体は、脱衣所まで続いていた。
怖くなって脱衣所まで駆け抜けた。
月島「A、待って…!」
ドアを開けると、京治の姿が見えて
思わず抱きついた。
赤葦「わっ、A…?」
「ごめんね、お願い、居なくならないで、京治のことまだ好きだから…お願い」
赤葦「A、何言って…」
月島「赤葦さん、無事でよかった…」
追いついた月島くんはホッとしていた。
赤葦「事情はさておき、一旦離れて貰ってもいい?」
彼に嫌われてしまったのだろうか。
離れようとすると、彼は「あ。」と言って
またさらに一言付け加えた。
赤葦「今お風呂上がったばっかで服着てないからで
別に距離置きたいとかって訳じゃないから。」
そう言われて、パッと離れると確かに彼は服を着ていなかった。
幸い腰にタオルを巻いていたので
タイミングが良かったというか…なんというか…
「あ、ごめん…」
赤葦「いや、別にいいんだけどね。」
月島「じゃあ着替えてもらってから、
話を再開しましょうか。」
赤葦「そうだね、リビングに居てよ。」
そう言われたので、
2人で廊下の血に脅えながら
リビングのドアを開けた。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時